最先端の生成 AI のビジネス活用! 生成 AI セミナーの紹介

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こんにちは!

4 年前まで NTT データ数理システムで数理最適化や機械学習に関する研究開発・受託開発を担当していました、大槻です。

NTT データ数理システムでは、数理科学技術のビジネス活用に関するさまざまなセミナーを開催しています。今回は、そのようなセミナーの中から、最先端の話題である生成 AI を扱うものに参加してみました。セミナーの様子をお伝えしていきます!

  • 生成 AI セミナーの概要はこちらから
  • タイトル:ChatGPT など、生成 AI のビジネス活用セミナー
  • 開催場所:ウェビナーにて開催します

なお、生成AI周りは技術発展が急速で、常に最近の技術動向や事例を盛り込むために、セミナーの内容も更新を続けているそうです。以下でご紹介するセミナーの内容は、最新のものとは異なる点をご承知おきください。

セミナー資料全体はこちらからダウンロードできます。
最新版のセミナー資料をご希望の方はお問い合わせください。

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生成 AI セミナーの概要

このセミナーでは、生成 AI の基礎知識とのビジネス活用について、数理システム社内の事例も交えて解説されていました。

  1. 生成 AI の基礎知識
  2. 生成 AI 活用のコツ
     ・コツ 1:プロンプトエンジニアリングによる「深堀り」をしよう
     ・コツ 2:生成 AI が知らない知識は、外から補って使おう
     ・コツ 3:データ分析技術と組み合わせて使おう
  3. 生成 AI エージェント技術によるアイデア創発
  4. 私が数年前に数理システムにいた頃は ChatGPT はまだなかったのですが、この数年でしっかりと ChatGPT のような技術も扱っていることを感じて、とてもワクワクしました。

    数理システムには、機械学習・数理最適化・シミュレーションなどの領域で長年蓄積してきた数理科学技術のノウハウがあります。現在は、それらのノウハウと、最先端の生成AI技術を組み合わせることで、お客様とともにさまざまな課題の解決に取り組んでいるということですね。そのような「数理科学 x 生成 AI」という組み合わせで生まれる価値について、セミナーで学んだことを読者の皆様にお伝えできればと思います。

    1. 生成 AI の基礎知識

    セミナーの冒頭では、生成 AIの基礎知識を解説しています。

    ChatGPT

    まず、LLM によって支えられているチャットサービス ChatGPT について簡単に紹介します。ChatGPT は、米 OpenAI社によって開発された、人間との対話に近い自然な文章を生成する AIチャットサービスです。人間らしい自然言語による指示文を与えるだけで、幅広い課題に回答してくれるすごいものです!

    ChatGPT を有効活用するためには、指示文を上手に与える必要があります。当セミナーでは、指示文の与え方のコツを紹介しています。

    生成 AI 技術

    ChatGPT は、生成AI技術によって支えられています。それでは、生成AI技術とはどのようなものでしょうか。読者の中には、生成AI技術を知らなくても ChatGPT の使い方さえ分かれば問題ないと感じる方もいるかもしれません。

    しかしながら、何事においても、技術の中身を深く知ることで、技術をよりよく活用できるようになるものだと思います。このセミナーでは、生成AI技術の成り立ちについても解説してくれました。次の図のように、「穴埋め問題」をたくさん解いているとのことです。個人的に、受験生の頃に、地理や日本史に出てくる言葉を覚えるために、たくさんの穴埋め問題を解いたことを思い出しました。生成AIも、人間と同じような学習をすることで、たくさんの知識を得ているのだと思うと、どこか親近感と安心感を覚えますね。

    2. 生成 AI 活用のコツ

    生成AIは大変便利なものですが、下の表に示す弱点があるようです。セミナーでは、これらの弱点を補うためのコツについて、解説していました。

    生成AIの弱点 生成AI活用のコツ
    あいまいな指示では、あいまいな結果しか引き出せない プロンプトエンジニアリングによる「深堀り」を、生成AI自身にさせよう
    学習データに含まれない知識を持たない 生成 AI が知らない知識は、外から補って使おう
    たくさんのデータからバランスよく結論を導くのは苦手 データ分析技術と組み合わせて使おう

    コツ 1:プロンプトエンジニアリングによる「深堀り」をする

    生成AIは、質問に対して一般論を回答する傾向にあるようです。たとえば、特定の企業の SWOT分析をしたいとき、特に工夫なく生成AIに質問をすると、具体性に欠ける一般論しか返答されず、新たな気付きが得られないことが多々あります。この弱点を補うためには、次のようなサイクルを回すことが有効とのことです。

    1. 生成 AIに質問する
    2. 生成 AIの導き出した回答について、生成 AI 自身に「SWOT分析の結果を欲している人」の気持ちを想像させながらレビューさせる
    3. レビューで見つかった観点不足や曖昧点を考慮しながら、また質問する

    セミナーでは、数理システム社内の事例として「SWOT分析に重要なポイント」を生成AIに考えさせながら、自動的に深堀りする方法を紹介してくれました。数理システム自体の SWOT分析をしていたのですが、確かに納得感のある結論が得られていました! 関心のある方は、ぜひセミナーを視聴してみてください。

    コツ 2:生成 AI が知らない知識は、外から補って使う

    生成 AI は、学習データに含まれない知識は持ちません。そのため、特定の企業の内部情報や、最新時事に関する質問には答えられません。この弱点を補うためには、LLMと各種検索システムを組み合わせて、LLMの知らない知識を補いながら回答を生成する仕組みを構築することが有効とのことです。

    コツ 3:データ分析技術と組み合わせて使う

    生成AIは、指示文に含まれる大量のデータから、バランスよく結論を導くことは苦手です。たとえば、商品のレビューデータなどといった大量のテキストデータを生成AIに与えることで、顧客満足度を高める要因を特定したいとしましょう。このとき、生成AIの出す回答は、レビューデータのうちのどの部分をどのように考慮して判断したのかが不透明なものになりがちです。

    この 生成AIの弱点を補うためには、レビューデータを要約してから 生成AIに質問する方法が考えられます。レビューデータを要約するためには、テキストマイニングなどの技術を活用することが有効です。

    そこで、数理システムでは、長年蓄積してきたデータマイニング技術と組み合わせることで、生成AIの弱みを補いながら、価値を生み出しているようでした。このことは、私としてはとても嬉しい気持ちになりました。

    3. 生成 AI エージェント技術によるアイデア創発

    セミナーの最後では、高度なアイデア創発を望める 生成AIエージェント技術が紹介されていました。生成AIエージェント技術とは、生成AIに設定・記憶・計画・行動のための外部機構を付与することで、現実のタスクを自律的に実行できるようにするものです。具体的な方法としては、生成AIによって複数のペルソナを生み出した上で、それらに議論させる手法が考えられます。

    たとえば「生成AIのビジネス活用」について、生成AIに議論させることを考えてみましょう。生成AIエージェントとして、「コンサル」「たたき上げ営業」「AIリサーチャー」などのペルソナを用意することが考えられます。複数の異なるペルソナをもつエージェント同士に議論させることで、多様な視点を踏まえた、よく練られた結論を得ることができます。

    このようなマルチエージェントによる議論やシミュレーションは、現在、生成 AI 研究領域のトレンドになっています。近い将来、生成 AI エージェントが人間の業務をより良く理解し、AI と人間の協業範囲がさらに広がることも期待させられて、ワクワクしますね。

    おわりに

    今回は、数理システムのセミナー「ChatGPT など、大規模言語モデルのビジネス活用について」に参加した様子をお伝えしてきました。

    私自身の感想としては、「生成AI技術の仕組み自体をしっかりと理解する」「数理システムが長年蓄積してきた数理科学のノウハウを活用している」という点で、数理システムらしさを感じられて嬉しかったです。

    実際に生成AI技術を活用したサービスを開発するためには、案件ごとに「精度」「速度」「情報更新への対応」「セキュリティ」「コスト」など、さまざまな観点を整理することが重要なようです。どの観点を重視するかによって、生成AI技術の活用ポイントが変わるためですね。

    生成AIのビジネス活用について少しでも興味を抱いた方は、ぜひ当セミナーを受講してみてください。新たな生成AIの活用方法を一緒に模索していけたら幸いです。

    大槻 兼資 株式会社 NTTデータ数理システム 顧問
    NTTデータ数理システムに入社し、数理計画部で数理最適化を活用する業務のかたわらで、Qiitaなどでアルゴリズム・競技プログラミングなどの解説記事を執筆し人気を集める。
    現在は顧問となり、数理工学・コンピュータ科学のエバンジェリスト活動・執筆活動で活躍。
    drken - Qiita
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