株式会社ヘルスケアシステムズ 様 × NTTデータ数理システム 統計解析ツールによる臨床試験のデータ集計と解析処理の効率化事例

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納得の解析結果に Visual R Platform がいち早く導いてくれる

2020年11月27日 10:00

臨床試験を業務のひとつとして展開している株式会社ヘルスケアシステムズ様では、統計解析で使用していたツールに替えて新たに Visual R Platform(以下 VRP)を導入。解析の前段階として Excel で行っていた各種試験データ処理の作業負荷を大幅に圧縮するとともに、目的に応じたサブグループ解析を納得いくまで行うなど、生産性の向上と優れたサービス品質の確保を両立させている。

Profile:株式会社ヘルスケアシステムズ 様
名古屋大学発のベンチャーとして2009年設立。身体の微量成分と健康の関係等の研究成果をベースに、臨床試験事業のほか郵送検査、受託検査、健康支援などの各種事業を展開。腸内環境や塩分摂取などの各種検査を独自技術により郵送で可能にした郵送検査事業では約30万検査の実績を誇る。

株式会社ヘルスケアシステムズ 様
研究開発部 部長/理学博士 石川 大仁 様(写真左)
研究開発部 渡邊 恵梨子 様(写真中央)
ICT事業部 シニアアナリスト 林 雅大 様(写真右)

マージ、抽出などの作業を Excel にて手作業で行っていた

臨床試験とはどのようなサービスなのですか。

石川 医薬や食品の分野で薬などがヒトにどのように作用しているか尿や便、血液などを採取して確かめることを臨床試験といいますが、我々の部署ではそれを事業として行っています。試験の企画・ご提案、実施から解析、ご報告、学会発表や論文投稿、その後のコンサルティングまで一貫して行えることが当社の強みです。
当社は食品に関する臨床試験がメインです。例えばチョコレートを食べると血圧のコントロールに効果があるといわれていますが、それを証明するために被験者を集め、摂取前後で血圧を測定し、どのくらい摂取するとどの程度有意な結果が出るかといった試験を行い、結果をレポートします。最近注目されている機能性表示食品や農産物(生鮮食品)などの臨床試験も多数行っています。お客様の目的は食品の機能や有効性を明らかにして興味喚起や購買につなげることですから、我々もそこをゴールとして最も有効な結果が得られるよう臨床試験の方法や項目をご提案しています。

統計解析の作業で課題があったとお聞きしました。

石川 臨床試験のデータを集め統計解析ツールで解析していましたが、その際に Excel で行っていたデータ処理にとても多くの時間がかかっていました。血液、便、尿などの測定データが、それぞれの様式で上がってきます。それらを統合し被験者と紐付けする作業に始まり、検査の目的に合わせて注目すべき項目をそれぞれの検査から抽出し、時系列で並べ直したり、解析やレポートの際に分かりやすいように整えるなど、それらをすべて手作業で行っていました。人為的なミスを防ぐために複数のスタッフによるダブルチェックが欠かせませんでした。
また食品の臨床試験の場合、サブグループ解析の重要度が高まっています。今までの食品の臨床試験は、その食品が「何に」効くかが試験の目的でしたが、今後は「誰に」効くか、が目的になってくると思っています。同じ試験をしても性別や年齢、遺伝子型などの差異で結果が変わってくるため、条件を変えて何度も同じような解析を行います。このとき、それまでの方法ですとログを残すことができず、せっかく解析結果が出てもどの属性のデータに基づくものなのか判別しにくいときがあり、再度同じ解析を行って確かめ直すといったロスが発生していました。ノウハウの蓄積や共有も進まず、解析のたびに人的・時間的リソースを総動員していました。

VRP導入の経緯をお聞かせいただけますか。

 私はシステム担当の立場から石川たちの様子を見てきましたが、この作業はツールを使えば標準化、効率化できると直感しました。そこで「こんな最適なツールがある」と VRP を石川に伝えたのです。石川たちがそれまで使っていたツールも VRP も同じ統計解析ツールですが、VRP では解析のためのデータ整理も自動化でき、作業負荷を大幅に下げることができると考えました。

石川 それまでの統計解析ツールは、この事業を立ち上げてから約6年間使っていたものです。統計解析の分野で一般的に使われていたツールでしたので何の疑問もなく、統計解析とはそういう手順で行うものだと思い込んでいました。林から VRP を紹介されたとき本当にデータ処理が自動化できるか半信半疑でしたが、数理システムのVRP体験プログラムで使ってみたところ、その高機能に驚きました(笑)。

最善の結果を得るために費やせる時間が大幅に増えた

VRP のご感想や使い勝手はいかがでしょうか。

渡邊 今までデータ処理に費やしていた手間や時間は何だったのかと思いました。これまで手作業でひとつひとつ行っていたマージや並べ替えの作業がボタン操作だけで思いのままにでき、さらにミスもないのでダブルチェックの手間も少なくなりました。また、別の担当者が行った解析でもその手順が残るため、それを見れば私も同じ解析を容易に再現できます。以前のツールですと、それらをいちいち担当者に教えてもらう必要があり、そのために担当者も私もかなり時間を取られていました。

石川 VRP は、解析処理の一連の流れをプログラム化しておけば、あとはデータを入れ替えるだけで結果が得られます。これはサブグループ解析にもとても有効で、結果から得られた気づきをもとにデータを入れ替えていけば、さまざまな視点からの出力を得ることができます。こうして解析を繰り返せることで、納得のいく結果にいち早く辿り着けるようになり、案件が進みやすくなりました。

 統計解析を個別にシステム化することは可能です。しかし案件に応じてシステムをカスタマイズする必要もあり、案件の規模がある程度大きくないとコストメリットが出ません。その点、VRP はプラットフォームですから案件に応じて柔軟に対応できますし、統計解析の知識があれば活用は簡単です。実際、解析プロジェクト作成は石川たちが自ら行っています。

導入のメリットをお聞かせください。

渡邊 以前の統計解析ツールを使っていたときの作業負荷を100としたら、VRP によってそれが30になったというイメージです。それによって、我々が本来やるべき作業に集中できるようになりました。解析はソフトウェアでできますが、その解析をどのように行うか、また結果を見てさらにどんな解析をするべきかを私たちが考え判断しなければいけませんし、そのために解析対象のデータをサンプリングしたりマージや削除も重ねて何度も解析し直す必要もあります。VRP の導入によって、このような考察や試行錯誤のために使える時間が大幅に増え、ソフトウェアがするべき作業、人間が行うべき作業がはっきりと整理されたといえます。

今後の抱負をお聞かせください。

石川 VRP にはさまざまな解析機能が備わっているので、これまでできなかった解析手法にも挑戦していきたいと考えています。ニューラルネットワーク機能など今まで活用していなかった手法を活用することで、臨床試験を超えるようなさらに大量データを適切に解析できるようになり、現在試行しています。そうした新しいノウハウが蓄積できれば、新たなサービスや事業の展開も可能になると考えています。まずは VRP を活用し臨床試験データを詳細に解析することで、これまでよりも精密に機能性表示食品や農産物(生鮮食品)などの臨床試験の評価に活用していきたいと考えています。

臨床試験事業の守備範囲

おわりに

今回は、多くの統計手法を簡単なマウス操作で実行できる汎用の統計解析ツール「Visual R Platform(VRP)」を活用した事例についてご紹介しました。現在、定期的にオンラインでのツール紹介セミナーを無料で行っておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。

また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします!ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。