西日本電信電話株式会社(NTT西日本) 様 データ分析基盤を構築、法人顧客の受注・失注パターンを分析した事例

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次の“ご満足”をお客様に届けるために、データ分析環境に Alkano を導入。

データ分析基盤を構築、法人顧客の受注・失注パターンを分析した事例

2023年3月17日 16:00

西日本エリア全体の通信ネットワーク事業や情報通信インフラを、幅広く、厚く支えている西日本電信電話株式会社様。個人から大企業まで多種多様な顧客の満足につながるサービスを提供することをテーマに、最新のテクノロジーやツールを積極的に用いて顧客データ分析の環境整備を進めている。その一環として導入した「Alkano」について、IT基盤戦略担当の高須賀将秀様と織克典様に伺った。

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Profile:西日本電信電話株式会社 様
1999年7月1日設立。日本電信電話株式会社等に関する法律に基づき、富山、岐阜、静岡の各県以西の西日本地域において、音声やデータの伝送サービスなどの地域電気通信業務とその活用業務や、電話器販売や情報料回収サービスなどの付帯業務・目的達成業務を展開。
デジタル改革推進部
デジタルガバナンス部門
IT基盤戦略担当 主査
高須賀 将秀 様
デジタル改革推進部
デジタルガバナンス部門
IT基盤戦略担当 課長
織 克典 様

社内データをトリガーとした課題解決型のデータ分析へ

「顧客満足度」を主眼にデータ分析をされていると聞きました。

 当社の主力商材である「フレッツ光」の回線契約は2021年度に1,000万回線を超え、マーケット的には成熟期を迎えつつあります。それを踏まえた新たな販売戦略が必要ですが、いま個人のお客様も法人のお客様も取りまく環境が大きくかつ複雑に変化し、またエリアによっても状況が異なっています。一方、お客様にご提案する当社の商材はフレッツ光以外にもサービスメニューの種類が年々増えています。販売戦略はこれまで、営業のプロフェッショナルによる勘と経験をもとに立案してきましたが、お客様も商材もここまで多様化が進むとどうしても限界がきます。個々のお客様にさらにご満足いただくには、次にどのようなご提案をするべきか。最適解を見つけ出すためにデータ活用を進めたいと考えました。

そのために、どのような分析環境を構築されていますか。

高須賀 社内データには契約関連の情報が豊富に蓄積されています。そこには顧客満足度向上のヒントがたくさんあり、それをデータ分析によって明らかにし、販売戦略立案に役立てたいと考えました。そうした、社内データをトリガーとした顧客満足度向上のための新たな課題解決型の分析環境の実現が我々の目標の一つです。 業務としては基幹システムのデータ収集と、データ分析基盤の開発および保守を行っています。データ収集ではその種類を増やして分析の可能性や選択肢を広げるとともに、鮮度の高いものを集めて結果の精度や信頼性を高めるよう心がけています。分析基盤は BI や AI の各種ツールをはじめ、AutoML(自動機械学習)といった各種ツールの整備のほか、データを横断的かつシームレスに利用できるよう開発を進めています。

顧客に関する気づきをさらに得るために Alkano を導入されたと聞きました。

高須賀 いままで分析は主に、BIツールで可視化したデータをベースに、エリアごとの商材別販売数を見ながら課題やその解決策を見出す、といった方法で行ってきました。これだとマクロ分析は容易なのですが、ドリルダウンしたときに見えにくい部分が出てきてしまうため、もっと精細な分析を行う手法を探していました。 またその際、分析は現場での課題感が起点でしたが、それ以外にも、いままで誰も気づいていなかった発見や課題をデータから得たいとも考えていました。そのためにはデータ加工や予測判断モデル構築を行う必要がありますが、手持ちのツールでは機能面で一長一短があります。足りない機能をカバーでき、狙い通りの分析を効率的に行えるツールはないだろうかと探したところ、入社当時から関心を持っていたNTTデータ数理システムから Alkano がリリースされたことを知り、導入にいたりました。

現場も気づいていなかった、顧客の様相や好みが浮かび上がってきた

新たな顧客分析が Alkano で可能になったそうですが、それはどんなことですか。

高須賀 法人顧客のデータから、お客様の満足度が高い商材の組み合わせパターンを探し出すことができました。アソシエーション分析により、複数の商材の組み合わせの受注確率を見たり、それらに地域やお客様の業種などを加えることで、受注につながりやすいパターンが確認できたのです。同じことはBIツールでも可能ですが、確認できるのは1パターンのみだったのに対して、Alkano では複数の中から最適な組み合わせを見つけることができました。
さらに、多種多様なお客様の特徴やご要望を、分かりやすく分類できました。地域、企業規模や業種など、細分化すると1,000以上におよぶパターンを一定数にクラスタリングし、それを決定木の機能を使って受注・失注の割合を可視化したのです。このときのクラス分けは10で設定しましたが、目的に応じてサイジングできるので今後試してみたいと思っています。これにより、お客様からさらにご満足いただけるようなセールスアプローチが可能になるはずです。
また、これまでBIツールで行っていた分析業務を Alkano で行ってみました。集計とグラフ化の機能を使うことで、これまでと同様に可視化できることを確認しています。

企業別売上高、県域、層、業種の情報をもとにk-means法
を用いてクラスタ分けを実施。そのクラスタに対して決定
木を用いることで、受注/失注の要因分析を行った

Alkano で得た新たな気づきを、営業のかたも評価されているそうですね。

 今回は Alkano の効果測定として、対象データをエリア、期間、お客様の層に絞ってデータ分析を行いました。その結果、「このエリアではこんな商材の組み合わせがお客様から選ばれているのか」など新たな知見や気づきが得られ、現場の営業スタッフも評価しています。Alkano の分析結果から生まれるヒントやアイディアは、今後の新たな販売戦略立案に大いに役立ってくれると期待しています。
Alkano の機能面のよさは、ノーコードでも高度な分析ができること。しかも優れたユーザーインターフェースで親しみやすく、初心者でもすぐに使えるのがいいですね。その一方で、データを深掘りしたいときには、Python や R でコードを追加すれば、さらに精細で狙い通りの分析が可能です。使いやすさと高度な汎用性の両方を持ち合わせている印象です。

御社のデータ分析環境に、Alkano はどのような価値をもたらしましたか。

 Alkano が加わったことで、我々が目指す「顧客満足度向上のための新たな課題解決型データ分析環境」の開発がさらに一歩前進したと感じています。分析基盤全体の能力が高まったため、社内にまだまだ多く存在する未利用データの活用が今後いっそう進むと思っています。
いま、社会もお客様も大きな変化の真っ只中にあります。そうした中でもお客様の動向を見失わず、個々のお客様のご要望に最適なご提案することで、皆さまの生活や企業活動をお支えしたい。そのためにも、分析基盤のブラッシュアップをひとつひとつ重ねていきます。

おわりに

今回は、「Alkano」を活用していただいた事例についてご紹介しました。データ分析を活用した課題解決について、少しでも興味をお持ちいただけたでしょうか?Alkano を紹介するオンラインウェビナーを無料開催しておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。

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弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします!ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。

監修:株式会社NTTデータ数理システム 機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること
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