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- データマイニングツールによるCRMプランニング分析事例
ビジネスパーソンに、 VMSは必須のツールです
2022年11月 1日 10:00
渋谷PARCOのグランドオープンなど、一大イベントをひかえている株式会社パルコ様。マーケティング関連のプロジェクトリーダーのひとりである安藤彩子様は、Visual Mining Studio(以下、VMS)を通じて培ってきたCRMプランナーのキャリアをベースに、新たな顧客サービス立案とその実現に取り組んでいる。
商業施設の開発・運営を行うショッピングセンター事業を中心にエンタテインメント事業などの関連事業を展開。
デジタル推進担当 業務課長
安藤 彩子 様
VMS とともに、キャリアを重ねてきた
お仕事の内容を教えていただけますか。
安藤 私のスペシャリティは CRM のプランニングです。「Customer Relationship Management」という言葉の通り、企業とお客様の良い関係を作り、維持・継続していくにはどうしたらいいか、それを実現するための戦略や各種施策の立案を行ってきました。下着メーカー、アパレルのセレクトショップなど、これまで何社か経験していますが、長らくこの領域に携わってきました。
現在はパルコで、グループ各社全体のCRM促進を基本ミッションに、グループ内のデータやテクノロジーを活用して、お客様の LTV[1] とロイヤルティ向上を図る CRM を構築しています。特に今年2019年は、パルコ開業50周年の節目であり、2016年から建替え工事のため一時休業していた渋谷PARCOが11月22日にグランドオープンします。そのタイミングに合わせて、お客様向けの新たな施策をさまざまに準備していますが、そのひとつが「PARCOカード」のサービスリニューアルで、いまはそのプロジェクトをリードしています。
- LTV:LifeTimeValue、顧客生涯価値。
どのようなプロジェクトなのでしょうか。
安藤 リニューアルにあたってPARCOカードの利用状況のデータを検証したところ、長期の会員様が多くいらっしゃる反面、比較すると入会から1~2年目のお客様の利用維持率が低いという課題が浮かんできました。PARCOカードには入会時初年度の割引サービスがありましたが、その期間が過ぎるとお客様は利用をやめてしまうようなのです。ポイントサービスに移行することで、今よりも、同じお客様に何度も足を運んでいただいて好きになっていただくパルコの新しい CRM が始まります。ご入会いただいたお客様にPARCOで過ごす時間をいつまでも楽しんでいいただいて、その結果、LTV が上がっていくサービスにしていきたいと考えています。
ビジネスにデータを積極的に活用されていますね。
安藤 “事実”が見えないと、課題が見つかりませんし、プランニングもできません。その“事実”を理解する上で大きな手がかりになるのがデータであり、分析という作業です。まず自分でデータを確かめて、それをもとに課題を洗い出し、解決につながるプランを考え出す。これは、この仕事に携わり始めた当初からの私のスタイルです。パルコでも同様で、PARCOカードによるお客様の決済データのほか、パルコ公式スマートフォンアプリ「POCKET PARCO」のログデータなど、さまざまなデータを参照しています。POCKET PARCO では、記事の閲覧データや来店記録などの行動履歴が取れ、これと決済データを組み合わせることで、お客様がどんなことに興味をお持ちで、実際にどのショップに行き、どんな買い物をしたかといった状況を把握することができます。そうしたデータが、CRMプランニングの出発点となっています。
長期間にわたって VMS をお使いいただいています。
安藤 VMS はずっと使い続けている私のビジネスツールで、もはや Word や Excel などと同じ感覚ですね。大学は文系学部だったので統計などの知識はあまりなかったのですが、この仕事に携わるようになってからNTTデータ数理システムのかたに教えていただいて使うようになり、前職でもそして現在のパルコでも導入し業務に活用しています。今の職場では私のほかにデータ分析官がおり、VMS は二人で兼用しています。現在、メインの分析は分析官に任せておりますので、私は気になったデータを確かめたい、事実の理解をするために別の角度からデータを見直してみたい、そんなときに随時利用しています。
データが分かると、仕事に説得力が生まれる
VMS を使う理由をお教えください。
安藤 分析の流れをデータアイコンと処理アイコンからなるプロジェクトとしてフローにまとめられる点です。分析の“質”はフローに出ます。良い分析ができたときは、プロジェクト画面上のアイコンの数が少なく、フローもシンプルで、分析の目的や方法が整理されているのがひと目で分かります。一方、フワッとしたまま分析し始めると、あれもこれも確かめたいという気持ちがアイコンの数やフローに出て煩雑になります。でも、画面を見ながらいろいろトライできるので、そこで自分の考えが整理されて、やがてフローもシンプルに見やすくなっていく。そのように、自分が分析してきたプロセスを逐一確認できるのはとても良いですね。どんな考えで自分が分析を進めてきたかが分かるため、前の時点に戻って出直すこともできますし、そうやって試行錯誤を重ねていくうちに、お客様の状況や私たちとの関係性が見えてきて、その中から課題が見つかったりします。VMS はかれこれ7、8年使っていますが、最近はデータグラフの種類が増えて自分が見やすいように出力できるなど機能も充実し、どんどん使いやすくなっていますね。
これまでのご経験からアドバイスをお願いします。
安藤 CRM などマーケティングの領域に限らず、ビジネスはデータドリブンで動く時代になっています。データを見て仮説を立てたり、判断したりする。そのために、一般的なビジネスパーソンにも、データに関してある程度の知識やスキルが求められていると思っています。私は統計の専門家ではないので、使われている数式にはなじみがありませんが、目的に応じた分析プランの立案や、そのためにデータをどう扱ったらいいかといったことは理解しています。その分析を思い通りに進めることができるのが VMS です。分析結果はエビデンスであり、それに基づくプレゼンテーションには説得力が生まれます。そしてその説得力は、ビジネスパーソンの価値や信頼にもつながります。
今後、どのようなことをしたいとお考えですか。
安藤 私と同じように、データをビジネスに活用できる若い人材を育てたいですね。ビジネス課題に応じた分析計画を立て、実際に分析して、その結果を見ながらアウトプットにまとめるという一連の作業を、部署内の若いスタッフに経験してもらっています。そういう経験をすると、分析がビジネスにつながっていること、そして会社の事業に自分の仕事が役立っていることが実感できます。そうすれば、仕事に対するモチベーションも上がるでしょう。また、社外的には滋賀大学データサイエンス学部、河本薫先生のゼミに当社も協力しています。分析の専門的な知識だけでなく、ビジネスの現場におけるリアルな視点や発想も身につけてほしいと河本先生はおっしゃっていて、当社はその方面からサポートさせていただいています。
おわりに
今回は、「Visual Mining Studio」を活用していただいた事例についてご紹介しました。データマイニングを活用した課題解決について、少しでも興味をお持ちいただけたでしょうか?
2021年10月に「Visual Mining Studio」の後継製品として、AI・データ分析を内製化できるデータ分析プラットフォーム「Alkano」をリリースしました。Alkano を紹介するオンラインウェビナーを無料開催しておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。
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また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします! ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。
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