PayPay銀行株式会社 様(旧:株式会社ジャパンネット銀行) テキストマイニングツールによるネット銀行での問合せ分析事例

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作業時間の大幅な短縮 精度の高い自然言語処理

テキストマイニングツールによるネット銀行での問合せ分析事例

2022年10月20日 13:00

ネット銀行にとって、電話で問い合わせてくる顧客からの質問は、WEBサイトの改善点を知ることができる重要な機会。PayPay銀行では、テキストマイニングツールを活用することで、顧客の声を分析。改善点を見つけ出し、顧客満足度の向上に結びつけている。

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Profile:PayPay銀行株式会社 様
日本初のインターネット専業銀行として、2000年10月12日に営業を開始。インターネットの利点を生かしたさまざまな決済サービスを展開、ネットサービス各社との提携も多い。決済に加え、ローン、投資信託や FX などニーズに応えたサービスを展開している。
また安心してインターネットバンキングをご利用いただけるよう、2006年にトークン形式のワンタイムパスワードを導入。セキュリティ対策の高さは顧客からも高い評価を得ている。

名渕 真弘 様

テキストマイニングツールで膨大な作業から解放

リアルな店舗を持たないネット銀行にとって、カスタマーセンターに集まる顧客からの声は、顧客の要望を知るための重要な資産になる。そのため、問合せ内容を記録し、件数の多い質問に関しては、WEB上で解決できるように、サイトの記載内容を改善している。
しかし、PayPay銀行のカスタマーセンターには月に数万件という膨大な数の問合せが寄せられる。毎月、読み取り作業だけに多くの時間と労力がかかっていた。
そこで導入したのが、NTTデータ数理システムが提供するテキストマイニングツール「Text Mining Studio(TMS)」である。導入の結果、これまで何10時間もかかっていた作業が、2時間程度で済むようになったという。
「作業量が軽減し、他の仕事に時間を回せるようになりました。さらに膨大な量のなかで、これまで埋もれていた声をもれなく汲み取れるようになり、WEBサイトの質が高まります」と同社の名渕真弘氏は話す。

すべてがインターネットでの手続きだから、とことん使いやすさと分かりやすさにこだわり、お客さまに抵抗なく使ってもらえるサイトづくりを心掛けている。

数あるテキストマイニングツールのなかでも、NTTデータ数理システムのTMSに決定した理由について名渕氏はこう指摘する。
「分析手法が他社に比べても多く、さまざまな角度からデータを分析できます。なかでも『係り受け分析』は、言葉のつながりを考慮してくれるため、問題点が明確化しやすく、よく活用しています」同ツールは、言葉の出現頻度と顧客属性を紐付けて図式化するなど、豊富な分析手法を持つ。その結果、正確性が増し、顧客の実態に近づくようになるのだ。また、自然言語能力が高い点も特徴。前後の文章との繋がりを考慮し、ソフトウェアにありがちな意味の取り違えが少ない。

ほかにも同社では、TMS を活用した業務効率化を行っている。
ネットバンキング犯罪・不正に関する情報収集のため、毎日大量に配信されるネット上のニュース情報を1件ずつ読んで確認する作業があり、多くの時間が掛かっていた。このニュースチェックを効率化するため、ワンクリックで必要な情報だけを抽出して一覧化し整理する、自社オリジナルのツールを開発し、わずか十分で確認作業を済ませるようにしたという。このツールの開発にも、TMS が活用されている。
「固有名詞や文中の空白、中黒も判別してくれる。無理難題に応える、使い勝手の良さも魅力ですね」と名渕氏。
ソフトウェアを使いこなすためのサポート体制も充実している。ツール自体の分かりやすさに加えて、入門セミナーはもちろん、導入後にはスキルアップセミナーなどが無料で開催されるのだ。 PayPay銀行では TMS を作業の効率化だけでなく、営業活動やマーケティング施策など、さらに活用していきたいと考えている。

日本初のインターネット専業銀行だからこそのレベルの高いセキュリティ対策。様々な手法で不正防止に取り組む。

日々、TMS も用いた様々な手法でインターネット上やニュース記事などから不正に関する情報を収集し、分析に力を入れている。そんな中、独自のツールを用いた分析で大きな成果に結びついた一件がある。
各金融機関では、振り込め詐欺等の被害を防止するため、店頭でお客さまにお声かけをするなどの取り組みを行っているが、店舗を持たないPayPay銀行では、振り込む前にお客さまへお声かけすることは困難であるため、不正取引の検知システムを独自に開発し、詐欺による振り込みが行われた後に、振り込まれた資金が犯罪者の手に渡らないようにする取り組みを行ってきた。
振り込め詐欺等において重要なのは、詐欺被害によって振り込まれた資金を、いかにして犯人から引き出されてしまう前に口座を凍結し、流出を食い止めるかということ。万が一、詐欺被害に遭い振り込んでしまったとしても、口座に資金が残っているうちに凍結すれば、後日、被害者の方に、資金をお返しすることができるのだ。
昨今の事例では、被害金が振り込まれた後、数分以内に出金されてしまうパターンが多くなっており、口座凍結にかける時間を大幅に短縮することが、喫緊の課題であった。
PayPay銀行では、検知システムのレベルアップを図り、モニタリング体制を強化した結果、今ではリアルタイムでの対応が可能となっている。詐欺被害によるものと推測される振り込みがあると、数十秒でシステムが自動的判定しアラートをあげる。担当者は即座に調査を行い、詐欺によるものと判明すれば、調査から数分後には振込先の口座を凍結してしまうという。
この取り組みにより、多くの被害金流出を防止。その功績が評価され、全国各地の警察署より感謝状をいただくとともに、被害者の方々からは感謝の言葉が多数寄せられているという。
PayPay銀行では、これらを励みに、今後もお客さまに安心してご利用いただけるよう、口座の不正利用による被害の未然防止に努めていく。

おわりに

今回は、簡単な操作で本格的なテキストマイニングが行えるツール「Text Mining Studio(TMS)」を活用された事例についてご紹介しました。定期的に製品について紹介するオンラインウェビナーを無料開催しておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。

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また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします!ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。

監修:株式会社NTTデータ数理システム 機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること
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