林様が担当されている業務について、教えてください。
林 自動車の残価(将来予想される標準的な価値)を自動算出するシステムを開発しています。自動車の残価は様々な要因から決定します。たとえば、初度登録からの経過月数、走行距離、車両の特性といった項目です。過去の売買実績データから、データマイニングや統計の手法を用いて、残価を推定するモデルを構築し、そのモデルを利用して、実際に残価を算出するシステムを提供します。
サイト利用者の皆様には、残価算出システムにて算出したい車を指定いただき、その車種に関しての残価を算出します。こうすることによって、これまで経験豊かな担当者が時間を掛けて算出していた残価を、時間を掛けずにかつ、客観的な標準値として算出できるようになりました。これにより、業務負荷軽減と、設定残価の透明性確保を実現できました。
現在は乗用車だけでなく、トラックや建設機械などにも、このような推定モデルを展開しています。
残価を推定する部分で、データマイニングツールの Visual Mining Studio と統計モデルの S-PLUS を使われているわけですね。
林 その通りです。
Visual Mining Studio を導入される前はどのような分析を行っていましたか?
林 Excel での集計及び分析と、推定部分はプログラムをその都度作成して対応していました。データが変わるとプログラムなどは修正する必要があり、非常に非効率でした。
Visual Mining Studio を導入された後はどのような効果がありましたか?
林 データ加工などの処理、S-PLUS を使った統計分析などが一貫して、Visual Mining Studio 上から行えるので、処理が非常にシンプルになりました。また、これまでプログラムで記述していた部分を、VMStudio のアイコンや、データ処理と分析のための簡易言語である、スクリプトを使って、簡単にかつ様々な角度からの試行錯誤も可能になり、様々なモデルの検証等、分析作業の効率がとてもよくなりました。
さらに、VMStudio や S-PLUS の柔軟な分析機能を生かして、顧客毎にカスタマイズした分析の提供ができるようになり、当社の残価算出ソリューションの価値をより高めることができました。
柔軟な分析機能を活用することで、現在では、乗用車だけでなく、トラック、建設機械への展開も効率良く実現できております。
利用頻度はどれぐらいでしょうか?
林 ほぼ毎日利用しています。プログラムがあまり得意ではない担当者にも、作業を依頼できるのがメリットです。
いくつかのデータマイニングツールの中から、Visual Mining Studio を選ばれた理由は何でしょうか?
林 自社開発ということが一番大きいです。自社開発であれば技術サポートに期待できると思いました。またコストパフォーマンスの高さも選定のポイントになりました。
実際ご利用になられていかがでしょうか?
林 技術サポートに関しては、開発元に直接相談できるという強みがあり、非常に頼りにしております。〆切近くで相談させて頂いた際に、的確な助言を頂き助けて頂いたことが何度もあります。また機能追加を相談させて頂き、実際にバージョンアップ時に取り入れられていたこともありますし、相談していたことがより良い形で実現していることもあります。
Visual Mining Studio の機能については、ビジュアルプログラミングにより、複雑なプログラムの見える化ができるようになり、人に説明したり、プログラムの仕様を理解してもらったりする際の助けになっています。
おわりに
今回は、「Visual Mining Studio」を活用していただいた事例についてご紹介しました。データマイニングを活用した課題解決について、少しでも興味をお持ちいただけたでしょうか?
2021年10月に「Visual Mining Studio」の後継製品として、AI・データ分析を内製化できるデータ分析プラットフォーム「Alkano」をリリースしました。Alkano を紹介するオンラインウェビナーを無料開催しておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。
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また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします!ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。