株式会社 TMJ 様 コールセンターの分析・データ活用にテキストマイニングツールを用いた事例

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高い分析技術をコンサルティングの基盤に

コールセンターの分析・データ活用にテキストマイニングツールを用いた事例

2022年11月25日 10:00

コールセンター業界で圧倒的な分析力を持っている TMJ。今回はその中でも、調査や分析を専門とする精鋭部隊「競争力開発部」の方にインタビューを行った。業務を可能な限り可視化・定量化し、分析・予測することでオペレーションの効率を高めている。コールセンターを主軸としながら、近年はバックオフィス事業領域を拡大・強化している。
Text Mining Studio(TMS)もその一環で導入。これにより今まで以上にクオリティの高い分析が行えるようになり、クライアントへの戦略支援の可能性が広がったと言う。

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Profile:株式会社 TMJ 様
ベネッセコーポレーション「進研ゼミ」のコールセンターが独立分社化し1992年に設立。「Client Value」を理念に掲げ、丁寧なマネジメントと卓越した専門性で独自の事業を進化し続けている。現在、金融、通信、製造、公共など幅広い業種・業態の200社以上のクライアントの事業に貢献する。

【お問い合わせ先】
コールセンターサービス、VOC活用、企画開発、コンサルティングに関する詳細は、こちらへお気軽にお問い合わせください。
株式会社 TMJ
TEL:0120-777-500(代表)
9:00~18:00(土・日・祝日除く)
事業推進本部 競争力開発部
ディレクター
布施 貴信 様

試行錯誤していたことが、すべて機能として備わっていた

TMS導入のきっかけを教えてください。

布施  当社はアウトソーサーとして、全国でさまざまな業種のコールセンターの運営を任されています。私たちのサービスは、クライアントのビジネスの持続的な成功のために存在します。ですので、センターの運営だけでなく、そこに集まってくる声を生かして、クライアントへの実用的かつ戦略的な分析ソリューションをご提供することも、私たちのミッションです。私が所属する競争力開発部はその専門部隊として、テキストマイニングツールなどを活用した情報分析・マーケティング・調査や、競争力を高める技術開発などを行っています。
私たちは今、クライアントの競争力を高めていくために、分析に基づくコンサルティングをより積極的に展開していきたいと考えています。今回、その取り組みの一環として TMS を導入しました。

テキストマイニングツールに TMS を選んだ理由は。

布施  以前は別のテキストマイニングツールを使って単語や係り受けのランキング、結果のマッピング、ポジティブ・ネガティブ表現の抽出など「普通のテキストマイニング」をしていました。ところがすぐに単語の出現数など数量にひっぱられがちな結果に物足りなくなり、さらには分析結果のクオリティに疑問を持ち始め、私としては、もっと掘り下げた分析を行いたいという思いが強くなりました。
その理由は、当社が提供する分析サービスは、クライアント自身が行う分析よりも質の高いものでなければいけないからです。以前は比較的シェアの大きいテキストマイニングツールを利用していましたが、もしアウトプットが同じなら、当社がお手伝いする意味はありませんよね。そのため、テキストマイニングで得られた結果をどのような形にしてクライアントにお見せするか、というのが分析結果を提供する際の要でした。そこに大きな手間と時間がかかっていたわけです。
そんなときに当時からいろいろお世話になっていた数理システムから紹介された TMS には「こんなことまで分析できるのか!」という、さすが統計解析の老舗企業ならではの機能がたくさん備わっていました。今まで私たちが試行錯誤していたことを上回る機能であり、さらに分析結果のクオリティも高い。しかも断然ユーザーに優しいサポート体制と価格設定(笑)。クライアントへ提供するサービスの質や範囲を広げられると確信し、すぐに導入を決めました。
機能の中でも特に「文章自動分類機能」には感動しました。さまざまな内容の文章がたくさんあっても、似たような内容のものを自動でグループ分けすることができるんです。文章を人間が一つひとつ読んでグループ分けするのは、時間のかかる大変な作業です。でも TMS を使うことで、短時間で、しかも精度よく行える。コールセンターに集まってくるお客様の声には、どのようなものが、どの程度あるのか、可視化するためには欠かせない機能です。
もう一つ、気に入っている機能として、「対応バブル分析」があります。これは文章をお客様のタイプなどのセグメント別に分析するときに使う機能ですが、従来のツールではセグメント別に単語ランキングをつくるなど、クロス集計での分析が中心でした。この対応バブル分析では、各セグメントとセグメントごとに特徴のある単語・係り受けの関係をマップで表してくれます。距離が近いものは関係が強いというマップになっており、クロス集計の数値を見ながら考える以上に多くの気づきを得ることができます。この分析手法を使ってクレジットカード会社のお客様の声を分析した結果、カードフェイスごとにまったく異なるご意見・ご要望があることが見えてきました。以前もこのマッピング分析を行うことはありましたが、そのときはテキストマイニングツールも含め2つ以上の分析ソフトを使っており、大変手間のかかる作業でした。そこが効率化されたという点は分析者の立場としてはうれしい限りです。

発売予定の新製品の前評判を SNS から分析

具体的な活用事例をご紹介いただけますか。

布施  一例としてソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上の声の分析があります。以前からある程度は行っていましたが、TMS を使うことで2週間程かかっていた手作業の工数が、数日に短縮、内容も深く見られるようになりました。
かねてより当社のコールセンターソリューションをご利用いただいているオーディオメーカー様での事例をお話します。新製品の企画段階において現在の製品の評判、改善点の調査依頼をいただき、まずは TMS を用いてSNS上の声を拾い上げ、製品の持つ機能ごとの「好評」「不評」点の抽出、その具体的な内容までテキストマイニングしました。「SNS のポジネガ分析」はよくある話ですが、製品企画に本当に活かすことができる分析を簡単に行えたのは TMS があったからですね。
またこの話には続きがあります。評判分析をしている段階で「競合他社商品と比較した場合どうなのか」というメーカーには直接電話で聞きづらい消費者の貴重な疑問点なども見えてきたため、内容を抽出し消費者の質問事項をまとめあげました。これを受けてクライアントはアピールすべき自社商品のポイントを再検討、またその他にも消費者の疑問点をまとめあげ、トーク内容やWebサイトの製品FAQを改善することにより、発売後の問い合わせの入電件数と電話応対コストの削減に成功したと、とても喜んでいただけました。
SNS には、コールセンターに寄せられる声(不満点、指摘点、疑問点)とは傾向が異なり、「こういう機能が使いやすい」とか「こんなこともできないかな?」という好評意見や改善希望意見、また素朴な疑問がたくさん含まれます。従来のマーケティングでは、そうした世間的な評価がメーカーに返ってくるまでには、時間と費用を必要としました。それを私たちだとリアルタイムに近い声を収集・分析し、素早くお返しできる。このスピード感もクライアントにご評価いただけた大きなポイントだったと思います。

分析結果から課題を見つけ、業務改善につなげていく

テキストマイニングの結果をまとめたレポートにも定評があるようですね。

布施  お客様満足度調査などのアンケート業務でテキストマイニングを使うことも多いです。調査・分析を行ったら、その結果を業務プロセスに生かすことが大事なので、クライアントの業種・業態に合わせたアウトプットにすることを意識しています。当社ではアンケートの企画・設計、実施、回収後の集計・分析、レポート作成までシームレスに行っています。アンケートによくある「ご意見・ご要望」などの自由記述回答の分析にTMSを使っていますが、TMS では分析結果がそのままHTML形式で出力されるので、クライアントとの相談段階ではまずそれをそのまま提示することで TMS を導入していないクライアントも分析の進捗を確認していただくことができ、作業時間が軽減できるとともに、クライアントの予算負担が大幅に削減できています。また、分析のクオリティが高まったことで、クライアントがアクションを起こしやすいレポートを作成できていると思います。

今後の展望をお聞かせください。

布施  当社のサービスの主軸はコールセンターの運営です。社内で培ってきたこうしたノウハウを持って、分析を運営に落とし込み成果や改善につなげていくことで、クライアントの成長につながるコンサルティングをしていきたいですね。
このときの基盤になるのが分析力ですが、TMS のメリットは、その機能性もさることながら、数理システムのサポートにもあると思っています。何か問い合わせたときの回答が、いつも早いんですよ。使い方でわからないことがあり、作業を止めて待たなければいけないときなど、この早さは本当に助かります。機能面でも要望を言わせていただいたりするのですが、バージョンアップのときに取り込んでもらえるのもうれしいですね。これからも当社の強みをサポートしてくれるツールとして活用していきたいです。

縦横に連携する社内組織体制も TMJ の強み。
新しい業務プロジェクトをスタートするときは、組織を横断して最適な人材でチームを結成する。

ご講演

数理システムユーザーコンファレンス 2013 でご講演いただきました。ご講演資料をご覧いただけます。

Text Mining Studio を使ったコンタクトセンターVOC分析 ―サービス改善・CS向上への取り組み―

おわりに

今回は、簡単な操作で本格的なテキストマイニングが行えるツール「Text Mining Studio(TMS)」を活用された事例についてご紹介しました。定期的に製品について紹介するオンラインウェビナーを無料開催しておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。

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Text Mining Studio の紹介セミナー

また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします!ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。

監修:株式会社NTTデータ数理システム 機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること
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