独立系の検証専門企業として35年以上にわたり、ソフトウェアやそれを利用した各種機器、ITシステムなどの仕様や機能、性能を評価してきたベリサーブ。その豊富なノウハウや経験と、Text Mining Studio により、市場の声を分析するまったく新しいサービス「VoiCAS(ヴォイキャス)」を開発した。
吉川 このサービスではまず、その製品の利用者(以下、ユーザー)の声を集め Text Mining Studio を使って分析し、そこから不具合の仮説を構築することから始めます。そこで構築した仮説をもとに不具合を再現するための実験計画を立て、実際に実証実験を行い、その結果により仮説を立証し、真因を明らかにしていきます。仮説が立証されなかった場合は、別の仮説を構築し、再度実験を行います。私たちは検証業務の技術者を「システムや機器の医者」と表現しています。実際の症状からどんな病気なのかを考察し、その原因や問題点を明らかにし、その処方せんを作るというイメージです。VoiCAS も同様にその技術を使うことになります。
本当の問題は、つながりのない言葉の裏側に隠れている
Text Mining Studio は、どのように利用されていますか。
吉川 コールセンターに寄せられたユーザーの言葉(VOC)のほか、SNS 上(ネットの口コミサイトや掲示板、Twitter や Facebook など)で交わされている言葉、これらを Text Mining Studio を使って総合的に分析しています。ことばネットワークで分析するとコールセンターの声は「動作しない」「つながらない」といった抽象的な言葉とともに主に製品をとりまく現象が見えてきます。一方、SNS の言葉は「こうしたら動作した」「設定をこう変えたらつながった」といった具体的な不具合回復のための条件のようなことが見えてきます。両者を照らし合わせて分析するわけですが、ここでは独自の手法をとっています。それは、Text Mining Studio のことばネットワークの線が【つながっていない】ところを見ているのです。線がつながっている部分は情報としては顕在化しており、そうではないところ、見えてこないところこそ、これまで気付かなかった問題が隠れています。その見えない原因をあぶり出すために Text Mining Studio で今の状況を並べ、私たちは透かすように見ているわけです。当社にはこれまで数多くの検証サービスをご提供してきた中で培ってきたノウハウ、スキル、そして経験があります。VoiCAS は、こうしたリソースがあったからこそ実現できたサービスといえます。
Text Mining Studio の使い勝手はいかがでしょうか。
吉川 辞書登録がとても使いやすくて気に入っています。分析では気になった言葉、キーワードとなりそうな言葉を次々とチェックしていく作業がありますが、その際、バッファ登録機能により言葉をどんどん一時保管(登録)しておくことができます。言葉を見つけるごとに、わざわざ辞書を開いて登録したり、やっぱり不要だからといって消したりする、などの無駄な手間が省けるので作業がテンポ良く進みます。他のテキストマイニングツールも試してみましたが、辞書登録機能がここまで便利なツールは Text Mining Studio 以外にはありませんでした。また VoiCAS では最終的には解析者による人的な解析を行いますが、そこに至るまでの基礎的な分析は人間がやるより機械処理の方が早いうえに可視化がスムーズですし、本来の解析に解析者の労力を集中することができ、それもメリットになっています。