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Profile:谷古宇 啓之 様
横河電機株式会社、株式会社リコーなど製造業界大手でITとマーケティング業務を担当。2020年独立し、WAIコンサルティング合同会社を設立。ITで業務改革から情報システムを構築し在庫を半減させた経験や、マーケティングで商品企画やブランディングなど総合的な戦略立案により引き合いの数を10倍に向上した実績などをもとに、実効性の高いコンサルティングを展開している。
WAIコンサルティング合同会社
谷古宇 啓之 様
個性を伸ばすなら、そこに使われている言葉を分析すべき
コンサルティングにTMSを活用されていますね。
谷古宇 私はコンサルティングにあたって、仮説と検証のサイクルを回します。その際の仮説構築に TMS はとても強力なツールです。例えば、企業や事業をあらかじめ知る情報として有価証券報告書や決算説明書、Webサイトなどの情報がありますが、そのテキストをTMSに流すことで、どのような言葉がどう使われているかを客観的に確認できます。私が読むだけでは気がつかなかった課題や問題の本質が浮かび上がり、それらをもとに仮説を立てます。そして、その仮説をこれまでの私の経験にもとづくナレッジや関係者との論議、さらにはデータ分析などによって検証します。こうしたサイクルを繰り返すことで、より具体的で実効性のある「解」に到達できるようになります。
TMS を使う意義はどんなところにありますか。
谷古宇 日本の特徴を知ろうとするなら、日本語を分析すべきです。特にコンパッション(思いやり)といった、日本独特の心情は言葉に表れ、実はここに日本企業の強みが存在しています。ご存じのように欧米の言語と比べて日本語は独特で、主語がなくても文章が成立してしまいますし、単語が豊富で選び方や使い方によって微妙にニュアンスが変わったりします。テキストマイニングは欧米に始まってそれら地域の言語を主な対象としてきましたが、その点、日本で日本語の分析のために開発されたTMSなら、出てきた結果を信頼して作業することができます。
TMS では、ことばネットワークと注目語分析をよく使っています。どの言葉に注目すべきか、それら言葉の関連性はどうか、繰り返し見ていきます。ここまで言葉にこだわったコンサルタントは他にはあまりいないそうで、お客様から好評をいただいています。
課題も解決策も、言葉から導き出せる
TMS によるコンサルティング例を教えていただけますか。
■ケース1:企業の経営分析
谷古宇 製造と小売り、その両方を展開している企業へ中期経営計画の提案を行った際にTMSを活用しました。一企業で製造と小売りをするその個性を確認するために、業界の市場レポートと業界他社の社長メッセージをTMSでテキストマイニングし、バブルチャートにまとめました(図2)。市場レポートを小売り部門と製造部門に分けてマイニングしたところ、それぞれで使われている言葉が見事に分かれました。取り扱う商品が同じ業界分野でも製販で市場視点にそれぞれの特徴があることが分かりました。社長メッセージでも同様に、販売会社と製造会社では使っている言葉はあまりバッティングしていません。一方、クライアント企業では際立って特徴ある言葉を見つけることができました。それは「当社」「ニーズ」「お客様」などで、ものづくりの努力だけでなく、消費者をしっかりと見すえて事業展開していこうとしているのだと私は感じました。そこからクライアント担当者との論議やデータ分析を重ね、「作ったものを売るのではなく、常に消費者目線でものづくりに取り組んでいるという強みに着目することで、売るためのものづくり事業を展開してはどうでしょう」と提案するに至り、「気がついていなかった点を指摘してくれた」と、経営陣から評価をいただきました。
■ケース2:グローバル展開の課題解決
谷古宇 グローバル展開で苦労しているという企業から問い合わせを受けました。特定の製品では業界で圧倒的なシェアを誇りグローバルナンバーワン、それなのに他製品のグローバル展開が進まない。その原因を探りたいというものです。私は、いままでの取引実績に頼り知名度がグローバルに広がっていないために新規顧客が獲得できていないという仮説を立て、同社のWebページをテキストマイニングすることにしました。新規顧客を得るためには、顧客にとって製品とサービスに価値があること、そしてそれを提供している企業が信頼に足ること、その両方が必要です。それがWebページ上で表現されているかを確認したのです。TMSのことばネットワークを使えば、関連する単語同士の状況をビジュアルに表示し、さらにマウス操作で自分が見たい視点で粒度を調整できます。そこにWebページの製品情報と企業情報を流し込んだところ、企業情報と製品情報それぞれのことばネットワークがきれいに2つに分かれ、両者をつなぐ言葉やコンテンツがほとんどないことを発見しました。この企業にはどんなポリシーや技術があり、それは製品のどんな点に活かされているかが紐付けられていないため、この企業と取引するとどんなベネフィットがあるのか顧客は分からない。だからクロスセルもアップセルも機能しない、新規顧客の獲得も進んでいないと指摘したところ、クライアントの経営陣が大いに興味を示しました。その後、TMSの注目語分析などでこの企業の特徴をもとに新規顧客開拓のためにどう訴えていくべきかをまとめ、その方法なども提案しました。
今後、どのような活動をお考えですか。
谷古宇 日本企業は損をしている、自社の個性や良さを思うように打ち出せず、伸び悩んでいるように私には見えます。けれども、日本企業の多くは優れた技術を持ち、市場への提案型でビジネスを進めていく良い意味でのコンパッション、人間味があります。そういう企業やそこで働く人に対して、御社にはこんな個性があり、こうすれば活かすことができますよとご提案したい。それによって社員一人一人のモチベーションが上がり、組織全体の変革が促され、変動する時代の中でも日本の国際競争力を復活させて力強く歩んでいけるでしょう。それを促す役割が私の使命だと思っています。ご興味がおありの方はどうぞお気軽にご相談ください。
コンサルティングのお問合せはこちらへ
https://yakou.jimdosite.com
おわりに
今回は、簡単な操作で本格的なテキストマイニングが行えるツール「Text Mining Studio(TMStudio)」を活用された事例についてご紹介しました。定期的に製品について紹介するオンラインウェビナーを無料開催しておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。
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