AGC株式会社 様 工場における生産計画や生産設備の効率化に役立つシミュレーションの活用事例

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社内の生産性革新の必須ツール S4 Simulation System

工場における生産計画や生産設備の効率化に役立つシミュレーションの活用事例

2021年2月10日 18:00

社内のさまざまな生産性革新を実行しているAGC株式会社 生産性革新推進部様。科学的な問題解決手法と最新のデジタルツールの組合せと、知見を積んだ部員により数多くの改革を成功させている。その中からシミュレーションツールである S4 Simulation System(以下、S-Quattro)を活用して解決した事例を2つご紹介する。

Profile:AGC株式会社 様
1907年創立。2018年7月、社名を旭硝子株式会社から現在の名称に変更。世界最大手のガラスメーカーとして、建築や自動車などの「ガラス」、ディスプレイ用ガラスや電子部材などの「電子」、塩化ビニール材料やフッ素樹脂などの「化学品」、「セラミックス」の4つの事業領域でグローバルに展開している。
生産プロセス支援グループ
プロフェッショナル
尊田 嘉之 様
生産プロセス支援グループ
改善技術革新チーム
中元 正司 様

抽象度が高いから、幅広い領域で柔軟に使える

生産性革新推進部の活動内容を教えていただけますか。

尊田 当部は社内横断的・機動的に各部門の課題を解決する専門集団です。約70名のスタッフが製造など各事業部門とともに改善や改革を行っています。
それにあたって私たちは「IE(インダストリアルエンジニアリング)×DS(データサイエンス)」のアプローチを基軸としています。IE により人を出発点に業務やビジネスの仕組みの設計・確立を、DS によりデータドリブンでビジネスの仮説検証・改善を、両者のアプローチから生産性の革新を目指します。

S-Quattro や Numerical Optimizer をお使いだそうですね。

尊田 目指す結果にいち早くたどり着くために、各種デジタルツールを積極的に活用しています。センシングやデータ分析のツールにはじまり、最適化ツールではNTTデータ数理システムの Numerical Optimizer を、シミュレーションツールは望ましい生産方法を定量的に検討できる手法として、S-Quattro をはじめ各種ツールを用途に応じて使い分けています。シミュレーションツールというと、人やモノがどう動くか、あるいは生産モデルのシミュレーションなど用途が特化したものが多い一方、S-Quattro は抽象度が高く幅広い用途に使えるツールです。人やモノ以外にも、目に見えない情報や作業の指示の流れなども同列にしてモデルに記述できるので、現場にモノがない設計の初期段階でも人や業務の流れを検討できます。さらに、自分の頭の中に広がった考えやアイデアの可視化や整理・検討にも有効です。

S-Quattro による課題解決の事例を教えていただけますか。

■ 国内工場の生産性を3段階の課題に分けて向上

中元 国内工場で当初の設計値通りの量を生産できていない施設がありました。どこに問題があるのか、現場作業、生産計画、生産設備と順にフォーカスを移しながら、3段階で S-Quattro を活用して課題の発見と解決を行いました。最終的に目標の生産量向上を実現しています。
まず生産現場の作業を検証したところ、ある作業にかかる時間にばらつきがあり、それが生産効率に影響しているのではないかと考えました。この作業時間を標準化したらどうなるか、またばらつきを是正するにはどうしたらいいか、シミュレーション結果をもとに現場スタッフと改善を行いました。

次に生産計画に問題はないか、S-Quattro のログをもとに設備の稼働状況を可視化しました。その結果、生産ライン上で加工部品の渋滞や装置の余計な待ち時間があることが見えてきました。発生原因の特定と対策を立案したのですが、それを実際にライン上で試すわけにはいかないため、シミュレーションを行い対策の有効性を現場と確認し、納得してもらいながらライン運用の適正化とルール作りを行いました。
3段階めとして、生産設備に改善や増強すべき点はないか検討しました。どのような設備改善をしたら、どのくらいの生産量拡大が見込めるかという増強プランの有効性を、シミュレーションを通じて事前に検証することができました。

AGC様におけるシミュレーションツールの使い分けマップ

■ 海外拠点に隠れていた課題を遠隔・短期間で特定

中元 海外工場で計画された生産設備の増強プランの妥当性を検討したところ、増強以前に解決すべき問題が隠れていることが S-Quattro で明らかになりました。この問題を解決しないまま設備を増強しても目指す生産能力の確保は難しいこと、それよりもこの問題を先に解決したほうが成果を期待できることなどを、シミュレーションで確認しました。問題となった個所は、私たちが現地調査したときに定性的な感覚では課題がありそうだと気になっていた設備でした。S-Quattro により定量的な評価を行ったことで上層部や海外の現地スタッフに対する説得力が高まり、課題として共有することができました。結果的に大規模な設備投資を行うことなく、本質的な生産性向上を実現しています。
またこの事例は、日本からリモートにより短期間で結論を得ることができた点も特徴です。案件が持ち上がったのが2020年2月で、その際に現地を視察して情報を集めていました。直後から新型コロナウイルスの感染拡大で渡航が不可能になったので、日本で S-Quattro を使って設備稼働状況の検証を行い、補足情報を現地からリモートで得たりしながら検討を進めました。

スピードも精度も、モデルの作り込みで自由自在

S-Quattro を使うメリットを教えていただけますか。

中元 短期間で課題を見つけ、改革に結びつけるための強力なツールとして、S-Quattro は非常に役立っています。モデル作成がスピーディにでき、必要であればミーティング中に条件を変えて計算し直すことも可能です。1つめの国内事例では、3段階の結果を出すのにかかった期間は1カ月半程度。2つめの海外事例では、経営会議で予算申請するために早く結果を出す必要があったのですが、海外とのリモート環境下でも1カ月かからずに結論に至っています。
今回はスピード重視でしたが、シミュレーションの精度を追求したい場合にも、モデルの作り込みで柔軟に対応可能です。さらに記録部品という機能を使うと、結果を自由にCSV出力でき、他のBIツールなどで見せたいかたちに加工できます。現場とのコミュニケーションや経営層への報告などに役立っています。

尊田 今回、改革がうまくいったのは、中元の知識と能力に拠るところもあります。生産の現場に精通し、これまでの多数のIE×DS活動を通してノウハウを貯え、その知見を業務で十分に発揮してくれます。その中元と S-Quattro の出会いが、成功の1つのカギだったと思っています。

ご講演

改善・革新活動におけるS4(Speedy・Simple・Smart・Simulation)

2020年11月に開催した、数理システムユーザーコンファレンス2020でご講演いただきました。

S4 Simulation Simulation System を活用して短時間で効率的に生産シミュレーションモデルを構築し、設備改善、設備投資の判断を行った事例をご紹介いただきました。

ご講演資料:改善・革新活動におけるS4(Speedy・Simple・Smart・Simulation)

おわりに

今回は、誰でも簡単に複雑なモデルをGUI上で表現しシミュレーションを行なえる汎用シミュレーションシステム「S4 Simulation System」を活用していただいた事例についてご紹介しました。 シミュレーションを活用した課題解決や S4 について、少しでも興味をお持ちいただけたでしょうか?製品について詳しく知りたい方は、S4 のページをご覧ください。製品紹介のオンラインウェビナーも定期的に開催しております。

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また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします! ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。

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