Nuorium: 製品開発とネーミング

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2019年12月 3日 09:00

※当記事は2016年10月に執筆・公開されたものです。
※「Numerical Optimizer」は2022年3月28日より「Nuorium Optimizer」に名称変更しております。

はじめまして Nuorium の設計・開発責任者である伊藤元治です。

Nuorium とは広く数値最適化プログラミングの支援を目的とした開発環境です。

そして20年以上にわたって継続的な開発が行われている汎用数理計画ソルバー Numerical Optimizer と、モデリング言語 SIMPLE のポテンシャルを最大限に引き出すように、現在も Nuorium は設計・開発が行われています。

以下では Nuorium の機能説明や設計・開発に伴う UI/UX、もしくはデザインの理念などについて、わかりやすくお伝えする連載記事です。

今回は初めての投稿ということで Nuorium という名称に至った経緯や由来についてお話しましょう。

猫も杓子も名前がある?

名称の最初の候補は Numerical Optimizer GUI でした。 そのまんまですね。foo や bar に近いものがあります。 猫に「ネコ」とかもう少し捻れば「にゃんこ」という名前をつけるようなものでしょうか。 私自身、実家で猫を何匹か飼っておりましたが、特に名前をつけていませんでした。 (Schrödinger の猫や、吾輩は猫であるの猫にも名前をつけてあげたいところですね)

にゃーち:唯一名前があった実家の猫

そういう背景も手伝ってか、最初の候補でも特に疑問を抱かずにいました。ただ少し長いなとは思っていました。

何が問題か

開発が進んでいく中で、私は製品を開発に携わっていない人々にも、説明しなければならないようになりました。 説明の場で、「ニューメリカルオプティマイザージーユーアイ」と事あるごとに連呼するのですが、これがもう長ったらしくて、何度も舌を噛んだ辛い記憶が思い起こされます。

実に辛いプレゼンでした…

しかしもっと決定的に損をしていた部分は次の点です。

  • 覚えにくい(正確には思い出しにくい)
  • スライド、ドキュメントなどで文字列が占有し過ぎる
  • プロジェクト性がない

それというのも無味乾燥な文字の羅列になってしまっているからです。 「トムとジェリー」と聞けば、いろいろなことが想起され豊かなイメージが浮かびます。 これが「いたずらネコと賢いネズミ」だったらどうでしょうか。語るべくもありません。

なぜつくるのか

私は固有名詞を与えるべきだと直感しました。 どうやら説明の場にいた他の人々も全く同じことを考えていました。 そこで私は彼らが納得するような、それでいてこれまでの製品名称に飛躍のない名称を考えることに頭を使いました。 面白いことに名称を真剣に考えると、製品自体がこの世界で何を表そうとしているのかを考えることになりました。 それはとても楽しい作業であり、同時にまた製品開発の反省を促すものでした。

極論を言えば、製品とはどんなものでも何かの機能の集まりに過ぎませんが、以前はそのようにしか見ておらず、何故それを作ろうとしたかという忘れてはならない部分を忘れていたのです。 とても大事なことを思い出させてくれた作業でした。

コーディング風景

Nuorium

私は冒頭で述べた用途・目的で、ビギナーからエキスパートまで誰もが使いたいと思うような製品にしたいと考えました。 彼らが納得する数値最適化のふさわしい場所を提供したかったのです。 そこで最終的に数値最適化の頭文字 Nu と「~のための場所」という意味を持つラテン語の -orium を合わせた Nuorium(ニューオリウム)という名称にすることに決めました。 私にしては結構、良い名を与えることができたのではないかと思っています。

伊藤 元治 伊藤 元治
株式会社 NTTデータ数理システム
Nuorium Optimizer 開発 数理最適化専用の統合環境 Nuorium 担当

2012年 名古屋大学大学院理学研究科卒業、同年4月 (株) 数理システム (現NTTデータ数理システム) 入社。

弊社パッケージ Nuorium Optimizer のフロントエンド開発に従事するとともに、数理最適化を軸に実務の問題解決に取り組んでいる。
また数理最適化技術の普及を目指して、定式化技法集も手掛けている。

文献調査から解決手法の提案、実装、そして教育と、トータルで様々な面から数理最適化の有用性と面白さを日々追及している。
博士(理学)。

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