NTTデータ数理システム新卒採用試験<数学>問題紹介 第二回 ~微積分~

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※試験の設定は2022年度時点の情報であり、2023年度以降は変更の可能性があります。試験内容についてはエントリーされた方にお送りする情報をご確認ください。

皆様こんにちは、データマイニング部の篠原と申します。今回は、当社の入社試験問題の紹介の第二回です。

入社試験問題例

当社の新卒採用では、数学と英語の筆記試験を出題しています。2021年度に出題した問題の中から、私が作成した数学の問題を紹介します。私が作成した問題は、微積分の分野の問題です。

問題. $f: [0,1] \rightarrow \mathbb{R}$ が $C^2$ 級のとき、次の等式を示しなさい。

[[\lim_{n \rightarrow \infty} n \left( \int_0^1 f(x) dx - \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left( \frac{k}{n} \right) \right) = \frac{1}{2} \left(f(1) -f(0) \right)]]

(2021年度 株式会社NTTデータ数理システム 入社試験問題)

この問題は、$f(x) = \frac{1}{x^2+1}$ のような形で $f$ が具体的に与えられている問題を見て、どこまで抽象化できるか考えて作成したものです。この問題は、$f$ を テイラー展開して2次の剰余項を評価することで解くことができるので、2階の導関数が連続となるように2階連続微分可能の条件を課しています。もう少し解き方を工夫をすると $C^1$ 級に対しても上記の等式は成り立つのですが、難易度が上がってしまうため、問題では $C^2$ 級にとどめています。$f$ に連続のみの条件が課されている時に、上記等式に反例があるかは分からなかったので、問題には出来ませんでしたが、反例もしくは証明を思いついた方は今度どこかの機会で教えてください。

この問題の面白いと自負しているところは、$f$ に具体的な値を入れることで様々な極限の式を作れるところです。例えば、$f(x) = \frac{1}{x+1}$ とすると

$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} n \left( \log 2 - \sum_{k=0}^{n-1} \frac{1}{n+k} \right) = - \frac{1}{4}$

といった極限の式を作れます。

この問題は大学の微積分の授業を受けてきた人向けの問題ですが、数学の問題は6問のうち2問選択して解けばよく、必ずしもこの問題を解かなければならないわけではありませんので、微積分が苦手だという方も心配ご無用です。

応募者募集!

当社では入社試験の数学の問題としてこのような問題を作成しています。「面白そう」と思った数学好きのあなたのエントリーをお待ちしています。

アカリク NTTデータ数理システム 求人情報ページ

監修:株式会社NTTデータ数理システム 機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
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