JRシステム×NTTデータ数理システム 数理最適化を活用した働き方改革時代の最適な勤務シフト作成事例

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働き方改革の時代の、最適な勤務シフト作成「勤務シフト作成お助けマン」

2019年12月25日 13:15

労働時間などのコンプライアンスを守りつつ、いかに個人の能力を最大限に発揮させ生産性を高めるか。 働き方改革の時代、その内容や質の向上が問われている。 JR システムでは JR 関連の各種ソリューションの経験やノウハウをもとに、Numerical Optimizer をエンジンとした「勤務シフト作成お助けマン」を一般企業向けに開発・提供し、好評を得ている。

Profile:JRシステム(鉄道情報システム株式会社)様
みどりの窓口でおなじみのチケット予約・販売システムMARS(Magnetic-electronic Automatic Reservation System:マルス)を1960年開発。以来、各種システムやネットワークの開発・運用を通してJRの業務の安心安全をサポートしている。またシステムインテグレーターとして「勤務シフト作成お助けマン」のようなサービス提供や、一般企業からの受託案件も請け負っている。
第二営業企画部
営業開発課 副課長
寺岡 洋一 様
第二営業企画部
営業開発課 主任
市川 瞳 様

Numerical Optimizerは、必ず答えを出してくれる

御社の業務について教えてください。

寺岡 当社はみどりの窓口の発券システムをはじめ、これまで JR 関連で多くのクラウド/ネットワークソリューション、データセンターサービスなどを手がけてきました。そこで得たノウハウを活かして我々の部署では一般の企業様向けに各種ソリューションやサービスをご提供しており、「勤務シフト作成お助けマン」もそのひとつです。

これは金融機関やコールセンター、ホテル、小売店舗、病院などでの勤務シフトの作成をサポートするクラウドサービスです。 2012 年にリリースして以来、多くの企業様にご利用いただいております。

「勤務シフト作成お助けマン」はどのようなシステムですか。

市川 「勤務シフト作成お助けマン」は勤務シフトを作成している担当者様のノウハウや頭の中で考えている条件を抽出して、それをシステムの条件に落とし込むことで勤務シフトを自動作成します。勤務シフト作成には、必要な人数、スタッフのスキルはもちろん、連続勤務の日数、各種法令や社内ルールなど、さまざまな条件の考慮が必要となります。また「どのスタッフとどのスタッフを組み合わせると業務が進むか」といった、職場独自の要件もシフト作成担当者様は把握し、それらを総合的に勘案してシフト作成をしています。こういった条件がとても多く、システム化は困難な作業でした。

寺岡 これまでの開発・サービス提供を通じて感じているのは、勤務計画のシステムは非常に奥が深いということです。 通常の IT システムでは、入力データとシステムが出力する結果の紐づきは明確なことが多いです。 しかし勤務計画はそこが曖昧です。 勤務の希望日や必要とするスタッフ数、勤務時間などさまざまなルールが複雑に絡み合うので、設定しだいでは条件が厳しすぎて、シフト作成担当者様の狙いとする答えにならない場合もあります。どこまでを自動作成で支援し、どこからをシフト作成担当者様による結果の微調整にまかせるか、その見極めが難しいもののポイントとなりますね。

計算エンジンにNumerical Optimizerを採用されていますね。

寺岡 開発初期の段階で、構築の方針を模索していた時期がありました。そのとき、以前勤務計画システムの構築を経験した者から Numerical Optimizer を教えてもらいました。さっそく試してみたところ、Numerical Optimizer による最適化の計算は高速で質が高いうえに、他社の製品に比べコストも安価であり、またデータの受け渡しなどの作りも良い。これなら高い生産性が得られると判断し、「勤務シフト作成お助けマン」は Numerical Optimizer をベースに開発しようとほぼ即断即決でした。

実際の開発中も、数理システムには Numerical Optimizer による最適化モデル作成に関する知識をアドバイスしていただくとともに、問題規模や反映すべき条件を見極める検証の支援をしていただき、大変助かりました。

勤務計画にあたって、このシステム最大の特徴はどの点でしょうか。

市川 必ず答えが出る。それが「勤務シフト作成お助けマン」の大きなセールスポイントとなっています。 5 人必要なシフトで 4 人しか出勤者がいない、そんな矛盾が発生する状況でも、できるだけ各種条件を充足する最適な答えを返してくれます。まさに Numerical Optimizer だから可能なことです。

勤務計画は年間を通して行いますので、例えばイベントの開催で通常よりも多くスタッフが必要な場合や、夏休みでスタッフが足りない場合など、イレギュラーで矛盾が発生するケースがしばしばあります。だからといって答えが出ないままでは、お客様の業務が回らなくなってしまいます。「勤務シフト作成お助けマン」であれば、問題がある日程や人員をハイライト表示して回答します。その部分を手運用でフォローしていただくことで、日々の業務を継続することができます。

限られた人材、限られた能力を発揮させるツールを目指す

お客様からはどのような反響がありますか。

市川 スケジュールを組んだとき、特定のスタッフに偏ることのない計画になっているとのお声をいただきます。勤務計画を作成する担当者様はもちろん、現場で働くスタッフの皆様にも満足度が高いシステムになることを目指してチューニングを重ねてきましたので、その成果だと考えています。中には「これが本来のスケジュールですね」と言ってくださるお客様もいらっしゃいます。

それまでは特定のスタッフに偏りがちなスケジュールになっていたものが、このシステム導入により公平になるように是正され、そのことでスタッフの皆様の満足度向上にもつながっているそうです。

また、「これまでと変わらない」というお声、つまり「担当者様のノウハウがほぼシステム化できた」というご評価もいただいています。このシステムはお使いいただくほど入力の手間が減っていきますので、その分、業務の効率化がどんどん進んでいきます。それもメリットのひとつです。

売上や作業量に連動した新たな勤務計画システムも開発されましたね。

市川 「勤務シフト作成お助けマン」で蓄積した勤務計画に関するノウハウをもとに、2018 年 6 月、新サービス「シフトデザイナー」をリリースしました。小売業やサービス業などでは曜日や時間帯によって売上や作業量が変動しますが、それに対応した勤務表を Numerical Optimizer で作成するサービスです。

例えばあるサービス業では、土日は朝から、平日は夕方から、多くの売上が見込めます。その時間帯にどれだけの人員を配置するか、どのタイミングでどのスタッフに休憩を取ってもらうかなど、「シフトデザイナー」ではきめ細かい勤務計画作成を行うことができます。

今後は、一人のスタッフが一日の中でマルチに作業をこなす現場で、その作業を自動で割り当てるシステムを展開したいと考えています。例えば、スーパーでの在庫整理や品出し、レジ打ちといった作業を念頭にしています。Numerical Optimizer ならこのような展開も可能だと考えています。

寺岡 人手不足や働き方改革が、いま社会の大きなテーマになっています。 企業は限られた人材の能力をいかに発揮させるか。労働時間などのコンプライアンスを遵守しつつ、いかに生産性を高めていくか。 「勤務シフト作成お助けマン」なら、スタッフ一人一人のスキルや条件に応じた、最適な勤務シフトを割り当てることが可能です。それによって、毎日の業務を円滑に回すことができるようになります。

そしてゆくゆくは、レイバースケジューリングのようなより緻密で効率的な勤務計画も可能になるはずです。働き方の質や内容が問われる時代に、私たちはその課題解決につながるようなツールやサービスをこれからもご提供していきたいと考えています。

おわりに

今回は、数理計画のためのモデリング言語、多様な求解アルゴリズム、及び GUI 開発環境を備えた汎用数理計画法パッケージ「Numerical Optimizer (NUOPT)」を活用していただいた事例についてご紹介しました。 数理計画・最適化を活用した課題解決やNumerical Optimizerについて、少しでも興味をお持ちいただけたでしょうか?製品について詳しく知りたい方は、Numerical Optimizerのページをご覧ください。

また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします! ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。