NTTデータ数理システム主催 数理最適化勉強会2022 の開催ご報告

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2022/12/13 に 「NTTデータ数理システム主催数理最適化勉強会2022」を開催しました。 本イベントでは最新の数理最適化研究をアカデミックの研究者に解説していただきました。 当日は 50 名を越える方に御参加いただきまして、この場を借りて御礼申し上げます。

ご講演内容

Zuse Institute Berlin 品野勇治 様 「Introduction to Ubiquity Generator (UG) Framework Version 1.0」

Ubiquity Generator (UG) Framework は、品野氏によって開発された分枝限定法の並列化フレームワークです。 最新の分枝限定法に基づくソルバを大規模並列分枝限定法ソルバへと拡張するためのソフトウェアフレームワークとして、 Nuorium Optimizer をはじめ多くの混合整数計画ソルバの大規模並列化を実現してきました。

本講演では、これまでの分枝限定法並列化研究の変遷について解説していただきました。 並列化フレームワークを ParaLex、PUBB、UG と発展させた背景には、混合整数計画ソルバの仕組みの複雑化にある点が、自身の研究成果を交えて説明されました。 分枝限定法を大規模並列化するにあたり欠かせない機能である Racing やチェックポイント等についても詳細を解説していただきました。 並列化手法 Racing については Nuorium Optimizer にも備えています。マニュアルに掲載されている解説 もご参考ください。

近年の UG の拡張についても解説をしていただきました。 Shortest Vector Problem(SVP)ソルバや無制約二次計画(QUBO)ソルバなど、従来の分枝限定法とは異なるソルバの大規模並列化にも成功しています。 SVP については SVP challenge[1]の複数インスタンスに対して記録を更新し、QUBO については現在世界最高の性能を達成している[2]という研究成果をご紹介いただきました。

質疑応答では将来の研究の方向性やコラボレーションの秘訣などを活発に議論され、今後の数理最適化の発展に大いに期待が集まる講演でした。

参考文献

  • https://www.latticechallenge.org/svp-challenge/
  • Y. Shinano, D. Rehfeldt, and T. Koch, “Building optimal steiner tree on supercomputers by using up to 43,000 cores,” in Integration of Constraint Programming, Artificial Intelligence, and Operations Resrch.CPAIOR 2019, vol. 11494, 2019, pp. 529–539.
監修:株式会社NTTデータ数理システム 機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること
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