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- 立地戦略など施設配置問題への数理最適化活用方法と事例
2022年1月18日 10:00
施設配置・立地戦略
企業が新規出店を行なう際には様々な要素の検討がなされますが、多数ある候補地の中からどこに出店するのかの選択はその中でも非常に重要な要素です。この選択には数理最適化からのアプローチをすることができ、施設配置問題と総称されています。施設配置問題を解く際には数理計画法パッケージ Nuorium Optimizer を利用することができます。
施設配置問題を解くことにより出店場所を決定する際には、以下のような評価基準が利用されます。
- 対象地域の顧客が店舗へ行く際の移動距離の総和(これを小さくすることで顧客の平均的な移動距離が短くなる)
- 各顧客の店舗への移動距離の最大値(これを小さくすることで極端に移動距離が大きい顧客がいなくなる)
- 出店した際にかかるコスト(これを小さくすることで新規出店費用や概算のランニングコスト等が少なくする)
さらに、以下のような各企業の個別の戦略を制約条件等で記述することで、より戦略的な出店場所の決定が可能となります。
- ある店舗に極端に負荷がかからないようにする
- 移動距離に上限を設ける
- 対象地域の顧客のカバー率
施設配置問題は様々な応用がされており、 「公立小中学校再配置計画立案支援システム」のように公共施設に関する意思決定にも活用されています。
問題解決までのプロセス
数理最適化問題としての一般的なアプローチ方法は こちら にありますので、併せてご覧ください。
以下は問題解決のための一般的な流れになります。
- 現実の課題の整理
- 数理モデルの構築
- プロトタイプ作成(数理モデルの検証)
- システム化
ここではもう少し具体的にご紹介します。なお、株式会社NTTデータ数理システムはこちらのプロセスのどの部分からでもお手伝いさせて頂きますのでご相談ください。
(1)現実の課題の整理
担当者にヒアリングしながら、考慮したい戦略やルール(制約条件)および評価指標(目的関数)の洗い出しを行います。
(2)数理モデルの構築
(1)で洗い出したルールを数理モデルの形で表現します。
Nuorium Optimizer を用いる場合は、モデリング言語 SIMPLE またはPySIMPLEを用いて数理モデルを表現します。 「表現した数理モデルから最適解を求めるためにどのような(数学的な)処理をするのか」というアルゴリズムの部分はユーザーの方は意識する必要はありません。
ここは、より実務的なルールを導入する場合には数理最適化のノウハウを必要としますので、不安な方は株式会社NTTデータ数理システムにお任せください。
(3)プロトタイプ作成(数理モデルの検証)
プロトタイプを作成し、サンプルのデータで数理モデルを利用し実際に答えを求めます。 そして、この結果を利用し、適切な結果が得られているかの検証や抜けているルールが無いか等の検討を行ないます。 この検証や検討の結果を数理モデルにフィードバックすることで質の向上を目指します。
(4)システム化
Nuorium Optimizer は構築した数理モデルを簡単に実行形式のロードモジュール(exeファイルや DLLファイル)にすることができます。
このロードモジュールは Excel からの呼び出しや現在ご利用のシステムへの組み込み等が可能です。地図情報ソフト ArcGIS と連携させた実績などがございます。
ご講演
Nuorium Optimizer を用いた業務拠点合理化の実践
2020年11月に開催した、数理システムユーザーコンファレンス2020でご講演いただきました。
Nuorium Optimizer を活用し、地域によって異なる業務量の予測や、その業務量に最適な拠点数や従業員数の算出を行った事例についてお話しいただきました。
※「Numerical Optimizer」は2022年3月28日より「Nuorium Optimizer」に名称変更しております。
ご講演資料:Nuorium Optimizer を用いた業務拠点合理化の実践
お問い合わせ
今回は、施設配置・立地戦略における数理最適化活用方法や事例のご紹介をいたしました。数理最適化に関しましては自社開発の最適化ソルバー Nuorium Optimizer に製品について紹介するオンラインウェビナーを無料開催しておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。製品紹介のみならず数理最適化の技術全般についてもご紹介させていただいていますので、ご興味がある方お気軽にご参加くださいませ。
▼現在開催中のセミナー
Nuorium Optimizer(NUOPT)の紹介セミナー
また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします!ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。
▼数理最適化などAI技術活用の相談窓口はこちら
AI技術活用相談(オンラインウェビナーもあります)
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること