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- レコメンドシステムを最適化する技術とは?機械学習や数理最適化の活用事例
2022年1月19日 14:00
1. レコメンデーションとは
顧客の好みを分析し、それぞれの顧客に興味のありそうな情報を選択して提示するのがレコメンデーションです。 人間は選択肢が多いほど迷うものですが、Web 上には膨大な情報があり、必要な情報の取捨選択が非常に難しくなっています。 EC サイトやニュースサイトなどから提供される、洪水のような商品・記事の情報は、顧客が本当に必要とするものにたどり着くのを妨げています。 企業側から見れば、大量の情報を提供したにもかかわらず、顧客のコンバージョン・満足度の低下を招いてしまいます。 このような状況から、レコメンデーションは、需要と供給をマッチングさせるために必要不可欠になりつつあります。
レコメンデーションの導入により、具体的には、次のような効果が現れます。
- ユーザーの好みに適した情報を提供することによる満足度の向上
- ある商品に満足いかない場合に、類似商品を提示することによるサイトからの離脱防止
- 在庫切れの場合に、代替の商品をおすすめすることによる機会損失の防止
- 意外性のあるおすすめによる、ニッチ商品の売上向上
2. レコメンデーションに必要な技術
無限とも言える選択肢から最大の効果を上げるようなおすすめを見つけ出すには、ユーザーや商品の特徴を理解することが必要不可欠です。
ユーザーや商品は膨大に存在するため、人手で 1 つ 1 つ確認していくのは困難であり、データマイニング技術の適用が必須です。
株式会社NTTデータ数理システムでは長年蓄積されたデータマイニング技術を保有しており、ユーザーの好みに合わせた、高精度なレコメンドを行う事が可能です。
レコメンデーションを用いることにより、ユーザーに適した情報を把握することができますが、それだけでは適切なおすすめを提示するには不十分です。 ビジネスにおいては、他にも様々な「バランス」を考慮することが必要不可欠です。例えば少数の人気商品のダメ押しは、在庫切れや過剰在庫につながるため、 様々な商品をバランスよくおすすめする必要があります。
また、電子商店街のような、多数のクライアントが出店するサイトを運営する場合には、人気商品だからといって特定のクライアントの商品ばかりおすすめしていると別のクライアントからのクレームにもなりかねません。 ユーザーの好みにマッチし、かつ、クライアントの出店料に応じたレコメンドを行う必要があります。 また、売れ行きの悪い店舗の出店離れを避けるため、売上を援護するためのレコメンドといったことも考慮する必要があります。
このようにレコメンドを行う際には「相性のスコアリング」と「具体的な割当て」の2段階を考える必要 があります。一般的には前者は機械学習や統計・データマイニングの技術を用いて実現します。後者は制約条件が多かったり先読みしてバランスのよい割当てが必要になる場合には数理最適化やシミュレーションといった技術が必要になります。機械学習と最適化を用いた事例「機械学習と最適化による人材ビジネス用レコメンデーションエンジン開発事例」も公開していますのでご興味がある方はご覧ください。
3. 適用例
株式会社NTTデータ数理システムのデータマイニング技術と最適化技術を用いたレコメンド適用例には、以下の様なものがあります。
- EC サイトにおける商品のおすすめ
- SNS サイトにおける知り合い候補のおすすめ
- ニュースサイトにおける関連記事のおすすめ
- 一般の Web サイトにおける関連広告の表示
- 検索サイトにおける検索ワード候補の表示
分析部分のみ、割当て最適化のみという形でもご提案しています。
おわりに
NTTデータ数理システムでは、AI・データ分析を内製化できるデータ分析プラットフォーム「Alkano」、数理最適化ソルバー Nuorium Optimizer の開発を行っています。これらのソリューションを活用したレコメンデーションロジックの開発のご提案が可能ですのでレコメンデーションをご検討している方はぜひご相談ください。それぞれ、定期的に製品について紹介するオンラインウェビナーを無料開催しておりますので、気になった方はぜひご参加いただけると幸いです。
▼セミナー情報はこちら
分析プラットフォーム Alkano の紹介セミナー
数理最適化ツール Nuorium Optimizer(NUOPT)の紹介セミナー
また、当社では長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします!ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること