ライオン株式会社 様 SCM のボトルネックを明らかにするシミュレーション・分析事例

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理想的な企業運営の道筋を S4 Simulation System で見通したい

2020年11月26日 10:00

「今日を愛する。」をスローガンに、ハミガキや洗剤などの日用品を数多く生産・販売しているライオン株式会社様。調達から受注に至るまでのサプライチェーンマネジメント(以下、SCM)のシミュレーションシステムとして S4 Simulation System(以下、S-Quattro)を新たに導入。生活者が求める商品が速やかに行き届く状況を企業運営の理想のひとつとして位置づけ、SCM全体の最適化を推進している。

Profile:ライオン株式会社 様
1891年(明治24年)創業。ハミガキ、ハブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品、クッキング用品、薬品等の製造販売、海外現地会社への輸出を展開。日本全国に7事業所、4工場、2カ所の研究機関を有し、売上高は連結3,475億円、個別2,694億円(2019年12月期)。

山尾ジキソンヒデキ 様
SCM本部 SCM統括部
山尾 ジキソン ヒデキ 様

SCM のボトルネックをシミュレーションで明らかにする

業務内容を教えていただけますか。

山尾 当社の商品構成は歯と口、身体、医薬など15カテゴリーあり、それぞれの商品、例えば石けんの香りやサイズなどを分類すると数千アイテムにもおよびます。私が所属するSCM統括部では、これらすべての商品に関して調達から生産、マーケティング、物流など、SCM全体のKPI設定から管理、政策立案、さらに将来を見すえた改革提案などを行っています。 その中で私はデータサイエンティストとして、生産パートの供給能力の評価を主な業務としています。生産拠点ごとの現状の生産能力をデータで把握し、どこにボトルネックがありどう改善していくべきかを解析したり、さらに購買や販売のデータを組み合わせたりしながらマクロ・ミクロの視点から見て、その結果のレポーティングまで行っています。

業務でどのような課題があったのでしょうか。

山尾 私のタスクに、当社の各事業分野における生産能力を把握し、未来の事業シナリオに対して持つべき生産能力を定量的に知ることがあります。ただ、これまでは生産に関する情報やデータは現場スタッフが持っていました。季節ごと、商品ごとにどのくらい生産していたか、現場スタッフのこれまでの経験則に基づいた情報をもとに生産量や稼働率、在庫、生産量、コストなどを Excel で割り出していたのです。
しかしそれでは、毎期同じ作業が必要になりますし、作業の属人化も避けられません。また、私はこの業務のモデル化を図りたいという気持ちもありました。そこで、シミュレーションシステムの導入を検討することになりました。

SCMアプローチ領域

S-Quattro導入の経緯をお聞かせいただけますか。

山尾 実は以前から社内で生産現場、物流現場などのさまざまな用途に適合するシミュレーションツールの導入を検討していました。そこで候補として上がったのが S-Quattro です。基本的なポテンシャルが高い上にカスタマイズ性もあり、これから長期的かつ広範な分析を行う際も十分対応できそうだと考えました。また言語は一般的な python のため、属人化防止も期待できます。まずNTTデータ数理システムのセミナーに参加して S-Quattro に関する情報を得た後、3カ月程度の試用期間を経て2020年3月に本格導入しました。導入にあたって、以前のツールで使っていたモデルをS-Quattro用に構築し直す必要がありましたが、それに関する知識やノウハウをNTTデータ数理システムの担当者から丁寧に教えてもらうことができたので、システム移行はスムーズに進みました。

実際の業務でどのようにお使いですか。

山尾 生産に関する一連のプロセスをモデル化して、事業シナリオや各種データを投入し生産量や稼働率などをシミュレーションしました。その結果をもとに生産状況を細かくチェックし、新たな設備導入が必要な個所があるかどうかといった問題点を洗い出し、対応策を検討してレポートしました。
このレポートは経営陣まで上がり、生産能力の評価が新たな論点となりました。そのため、その評価を生産拠点ごとに行うことが私たちの新たな定常業務となっています。来年以降、時節の課題に対応しながら違う拠点やカテゴリーの商品のシナリオを入れ、シミュレーションして対応していきます。

S-Quattro なら、思った結果にいち早く辿り着ける

S-Quattro のメリットを挙げていただけますか。

山尾 まだ導入間もないですが、思い通りのシミュレーションができ、それが成果に結びついています。S-Quattro を選んで正解でした。
具体的なメリットとしては、より詳細なシミュレーションが可能となったことが挙げられます。生産拠点のどの設備が稼働しているかそうでないのか、どの機械に何人配置されているのか、それらを S-Quattro のカスタマイズ機能を使って組み込んだところ、詳細なシナリオパターンで細かい粒度の結果が得られ、レポートの内容も一段と充実しました。このカスタマイズ性の高さは当初期待した通りです。
またカスタマイズ機能は、デバッグにも便利です。プログラムの中身を後から確認・変更できるので、思ったような結果が出なかったとき、プログラムのどこが原因か容易に確認・修正できるからです。自分でいろいろ試すことができ、ブラックボックスにならない。そのことは、いい結果にいち早くたどり着くためのツールとしてとても大事だと思っています。
新たなモデルをプログラムするときも、思った以上に容易に構築できています。python はさまざまなライブラリがネット上にあり、それをコピー&ペーストするだけで活用できます。python が使えるメンバーも多いので、知識やノウハウの共有も進んでいます。

今後の抱負をお聞かせください。

山尾 今回は生産のパートにフォーカスしましたが、この適応範囲をSCM全体に広げていくことが当面の目標です。例えば、需給の変化に応じて物流を最適化するにはどうしたらいいか、それが見えてくることで、生産の新たな課題が浮かんでくるかもしれません。また今回は生産現場のデータ収集に経験則に基づいた情報やデータを使いましたが、こうした部分に最適化など論理的なロジックを導入することも必要でしょう。
これらの施策を進めていくことで、やがては当社のビジネスの動き全体を見通すことができるようになるはずです。そうすれば商品の品切れが起きたとき、どこがボトルネックなのか瞬時に把握できるようになります。全国各地に常に最適な量の商品を行き渡らせることができ、小売店の方やお客様をお待たせすることもなくなるでしょう。そうした理想的な企業運営が私たちの目指すゴールのひとつです。

シミュレーション例

ご講演

製造業におけるシミュレーションを活用した供給能力評価

2020年11月に開催した、数理システムユーザーコンファレンス2020でご講演いただきました。

S4 Simulation System を活用して工場から倉庫までのシミュレーションモデルを構築し、生産能力の評価を行った事例をご紹介いただきました。

ご講演資料:製造業におけるシミュレーターを活用した供給能力評価

おわりに

今回は、誰でも簡単に複雑なモデルをGUI上で表現しシミュレーションを行なえる汎用シミュレーションシステム「S4 Simulation System」を活用していただいた事例についてご紹介しました。 シミュレーションを活用した課題解決や S4 について、少しでも興味をお持ちいただけたでしょうか?製品について詳しく知りたい方は、S4 のページをご覧ください。製品紹介のオンラインウェビナーも定期的に開催しております。

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また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします! ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。

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