TOTO株式会社 様 × NTTデータ数理システム シミュレーションによる問い合わせ部門の人員配置計画活用事例

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問い合わせ部門の応答率を予測

2020年10月27日 13:00

TOTO では特約店や施工店からの専門的な問い合わせに対応する部門を事業部ごとに設けている。こうした問い合わせ部門における応答率とオペレーター数のバランスを求めるのに、S4 Simulation System(以下 S-Quattro)を活用。シミュレーションによって導き出された結果は、適正な人員配置を検討するための具体的なデータとして役立っている。

Profile:TOTO株式会社 様
キッチン、浴室、洗面、トイレといった水まわり商品を製造し、お客さまへ提案する。商品カテゴリー別の事業部制のもと商品企画から製造、生産管理まで行われるが、全社共通の研究開発や課題解決には本部組織が対応する。
Profile:TOTOバスクリエイト株式会社 様
TOTOの製造部門としてユニットバスの企画・開発・製造・品質等を担い、豊かなバスライフを提案する。

上田 忠雄 様
生産技術センター CAE技術グループ
上田 忠雄 様
飛下 綾子 様
TOTOバスクリエイト株式会社 なんでも相談センター
飛下 綾子 様

議論の土台となるのは、シミュレーションによる根拠のある数字

S-Quattro を導入し、まず身近な問題からシミュレーションに取り組んでいますね。

上田 問い合わせ部門が抱える悩みを解決するため、応答率と適正人員数の予測に取り組みました。問い合わせ部門は、ときに「今年は応答率95%だったから、来年は98%に」とか「応答率は落とさずに人を減らして」といった要求を受けます。でもオペレーターには、お客さまの問い合わせに丁寧に答えると1件あたり何分かかる、という一定の時間があります。要求に対して「応答率を何%にするためには何人が必要」「この人数でこの応答率にするには、お客さまへの対応時間がこんなに短くなってしまう」などと議論するには、土台として根拠のある数字を示すことが重要ですよね。その数字をシミュレーションによって算出しようと、S-Quattro を使い始めました。

応答率をシミュレーションするために、どのようなデータを用いるのですか。

上田 応答率予測は待ち行列の問題に当てはまります。問い合わせ対応が電話なら、必要なデータは①電話がかかってくる時間間隔の平均値と、②1件当たりの対応時間の平均値です。このとき気を付けなければならないのは、対応時間は通話時間ではないということ。そこにはログ入力などの後処理時間も含まれます。当社の場合、通話時間はすぐにデータを取り出せますが、後処理時間についてはデータがない部門もあります。でも予測するからには精度が重要です。そこでデータがない場合には、新たに後処理時間を記録してもらうなどしてシミュレーションを行いました。

人員数と応答率の関係(シミュレーション結果)

各人のスキルや対応方法の違いにも考慮し、柔軟に分析

現場の実情に照らした分析とするために工夫されていることをお聞かせください。

上田 現場からの要望でオペレーターによるスキルの違いを取り込んでいます。ベテランは問い合わせにすぐに答えられるので対応時間が短く、他の人よりもたくさん電話を取れます。そのためベテランが抜けたときと新人が抜けたときとでは、人数は同じでも応答率は違います。そのような実情を考慮する際、対応時間には全員の平均値ではなく、その日のメンバーに応じた平均値を採用しています。ある5人のチームをシミュレーションしたときには、こんな結果が出ました。全員で対応すると応答率が92.5%。ベテランのAさんが定年退職で4人になると82.3%。その状況で別のBさんが休むと68.4%。Aさんの代わりに平均的なスキルの1人が入ると91.0%。Aさんが退職した後の応答率を予測することで、今後の配置計画を検討する材料として、とても具体的なデータを提供できましたね。

飛下 TOTOバスクリエイトの「なんでも相談センター」では、FAXでの問い合わせに対応しているチームをシミュレーションしました。メンバー4名でフル稼働しても、たまった FAX が減らない時間帯が必ずあるため、最適な人員を知りたいと思ったのがきっかけでした。用いるデータとして、返信用の回答を書くのにかかった時間を、FAXチームのメンバーが1件1件記録しました。シミュレーションの結果を時系列で見ると、問い合わせFAXが一時的にたまる時間帯はあるものの、順々に処理していけば、一日のなかでは落ち着くことがわかりました。この結果にチームも納得。「忙しい時間帯もあるけれど、無駄のない作業に努めて現状の人数でがんばろう!」とモチベーションを高めることができました。

FAX業務の待ち行列シミュレーション

自分でプログラムを組むより、効率的にソフトを使いたい 

シミュレーションソフトに S-Quattro を選ばれた理由は。

上田 市販の離散イベントのシミュレーションソフトには、あまり選択肢がありません。国産は S-Quattro だけですし、NTTデータ数理システムなら充実したサポートを受けられるとわかっていたので、迷わず選びました。待ち行列はそれほど難しい問題ではないので、問い合わせ部門の応答率だけをシミュレーションするなら、自分でもプログラムを組むことができます。でも当社は製造部門もあるし、待ち行列を適用して解決できる課題は、ほかにもたくさんあるだろうと。それなら課題ごとに自分でプログラムを組み、動作検証に時間をかけるより、ソフトを使ったほうが効率的だと考えたのです。

実際に使ってみて、使い勝手はいかがですか。

上田 GUI だからアイコンをドラッグ&ドロップするだけで、簡単にシミュレーションモデルを作成・実行・検証できるのがいいですね。プログラミングができない人でも使えます。また分析者以外でも、これから何をどのようにシミュレーションしようとしているのかイメージできるので、出てきた結果に説得力を感じるようです。

S-Quattro を導入して日が浅いので、まだシンプルな機能しか使っていませんが、マニュアルやチュートリアルである程度の使い方がわかるので助かります。それに、いつでもサポートを受けられるというのは、やはり心強いですね。少し前には、オペレーターの人数を変化させながら応答率を出そうとしたときに、一回の実行でまとめて結果を出せる「一括実行機能」について教えてもらいました。

企業において意思決定をする際、ときには勘と経験が必要なときもありますが、本来は小さなことでもデータを積み上げ、それをもとに議論することが重要だと思います。S-Quattro にはさまざまな機能があるので、これからも適用範囲を広げていろいろな現場でシミュレーションを実践し、データを重視する企業風土づくりに貢献したいです。

S-Quattro利用風景
「高度な機能も使ってみたい」と話す上田さんを、数理システムデータマイニング部主任研究員の山本晃成さんがサポート。

応答率予測図

おわりに

今回は、誰でも簡単に複雑なモデルをGUI上で表現しシミュレーションを行なえる汎用シミュレーションシステム「S4 Simulation System」を活用していただいた事例についてご紹介しました。 シミュレーションを活用した課題解決や S4 について、少しでも興味をお持ちいただけたでしょうか?製品について詳しく知りたい方は、S4 のページをご覧ください。製品紹介のオンラインウェビナーも定期的に開催しております。

また、弊社NTTデータ数理システムでは、長年培ってきた数理科学の技術を基に、お客様のご要望に合わせた受託開発を承っております。「データはあるから何となく何かをやりたい…」というきっかけでも大丈夫です。お客様が解きたい課題を弊社技術スタッフが一緒に課題整理を行いながら、ご要望に合わせたご利用形態で課題解決をサポートします! ぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談いただけると幸いです。