WebマーケティングにおけるAI技術の活用 機械学習や数理最適化の使いどころ

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1. Webマーケティングとは

Webマーケティングとはインターネット上の仕組みを使ったマーケティングの活動です。インターネットの発達やデジタル媒体、SNS の普及に伴い、Webページ上のバナー広告やメルマガなど、様々なマーケティング施策を日常的に目にするようになりました。

ユーザの目に触れる広告やWebページの作成だけでなく、レコメンドのためのデータ分析や各施策の効果の判定もWebマーケティングの活動の一環です。

    直接マーケティング(メディア別)

    • 広告(Webページや検索結果に付随した企業広告・宣伝・リンクなど)
    • メール配信(ダイレクト電子メールなど)
    • レコメンデーション(書籍・映画から飲食店まで様々なおすすめ商品)

    間接マーケティング

    • SEO(適切な検索キーワードにかかりやすくする最適な Webコンテンツ設計)
    • 自社Webページ(魅力的なコンテンツ設計・スムーズな閲覧ができるページ構成)

2. Webマーケティングの特徴

Webマーケティング特有な性質として以下が挙げられます。

  • アクセスログやコンバージョン情報、ユーザ属性の情報などデータの取得が容易
  • ユーザ・媒体に応じたきめ細やかな施策の実施が可能

このような性質から、データ分析結果を施策に反映したり、新たな施策を実施して ABテストにより従来の施策と比較し、良し悪しを評価したりすることが容易になりました。

3. Webマーケティングにおける数理科学の適用

Webマーケティングにおいては積極的に Plan(計画)、 Do(実施)、Check(評価)、Act(改善)のPDCAサイクルを繰り返すことにより業務フローを改善していくことが重要であり、すべてのフェーズで数理科学を有効に活用することができます。

最も合理的な意思決定するためには、PDCAサイクルの各フェーズおける数理科学の適用が必要不可欠であるというのが業界の共通認識となりつつあります。

最適施策の立案とシミュレーション

計画フェーズでは、どのような施策を行うかを検討します。

  • 目的に沿った施策案の洗い出し
  • 最適な施策の判定
  • 実行した際のロバスト(安定)性のシミュレーション
  • が必要です。

    ■ 目的に沿った施策案の洗い出し

    無限とも言えるWebマーケティングの施策から最大の効果を上げるような施策を見つけ出すには、ユーザーやメディアの特徴を理解することが必要不可欠ですが、ユーザーやメディアは膨大に存在するため、人手で1つ1つ確認していくのは困難です。様々な分析技術を用いて、過去の施策結果を元に、ユーザー別に施策の効果を推定し、有効な施策を洗い出します。

    ■ 最適な施策の判定

    さらに複数の施策案から、達成目標やコスト、期間などの実務上の様々な制約の中で最大の効果をもたらす施策を選定するためには最適化技術が有効です。どの施策にも長所短所がありますので、リスクを最小限に抑え、安定した施策効果を得るためには、複数施策のポートフォリオを組むことが必要です。

    ■ 実行した際のロバスト性のシミュレーション

    最適な施策が立案できたとしても、実際の運用においては必ず何らかの不確定要素に起因する誤差が発生します。 そのため、施策が不確定要素にどれほど強いか(ロバストか)を予め評価することは非常に重要です。これにより、効果が高く、かつ、不確定要素に影響を受けにくい安定した施策の実施が可能になります。シミュレーションの技術を駆使することにより予め誤差を含む環境を再現し、施策のロバスト性を評価することが可能です。

    施策の実施

    計画で立てた施策を実行します。身近なものとして以下のようなものが挙げられます。

    • Web広告
    • Webページの内容や検索結果に付随した企業広告・宣伝・リンクの表示

    • レコメンデーション
    • 書籍などのECサイト上での製品のおすすめの表示や飲食店・音楽など様々なモノ・サービスのおすすめの提案

    • SEO(Search Engine Optimization)
    • 検索時に適切な検索キーワードにヒットしやすくすることを目的としたコンテンツ設計等の最適化

    • 自社Webページの設計と作成
    • 閲覧者にとって、魅力的なコンテンツ設計・スムーズな閲覧ができるページ構成

      その他、ポイントプログラムの実施やメール配信によるキャンペーンなども新規・既存の顧客へアプローチする重要なマーケティング施策です。

      施策の評価と改善のためのデータマイニング

      実施した施策において、目標を達成できたか、どのような取り組み・コンテンツが効果的であったかを解析し、次回の施策に向けての改善点を探ります。

      Webマーケティングにおいては、上記でも記載したように、アクセスログやコンバージョン情報をデータとして容易に取得できます。データマイニングの技術を用いて、それらのデータを解析することで、単に目標を達成できたかどうかの評価だけでなく、

      • 特に効果的であった要因(ユーザ属性の情報やアクセス回数など)
      • 効果の薄かった要因

      を明確にすることができます。さらに複数の要因による効果測定も可能になり、より効果的な施策の提案につなげることができます。

      評価結果・分析結果を、定量的・客観的に示すことができることもデータマイニング技術が有効な理由の一つですね。

      その他マーケティング事例紹介

      インターネットはマス広告と比較してデータを詳細に大量に取得できるところから、データ分析や数理最適化との相性もよく様々な技術活用が有効であることをご紹介しました。ここではWebマーケティングに関わらず当社ソリューションを活用いただいたマーケティング事例をご紹介いたします。

      おわりに

      株式会社NTTデータ数理システムでは、マーケティングにおけるデータ活用するための、機械学習、データマイニング、最適化、シミュレーションの技術を利用いただけるソフトウェアをご提供しています。マーケティングデータのご利用にご興味をお持ちであれば、無料体験セミナーにてお待ちしています。ソフトウェアの紹介や操作デモをご覧いただくことで、どのようなことができるのかがイメージしやすくなるかと思います。

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      監修:株式会社NTTデータ数理システム 機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
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