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- シミュレーション適用事例: マーケティングシミュレーション(消費者によるブランド選択)
2022年10月11日 10:00
シミュレーション適用事例
として、シミュレーションで解決できる様々な事例を紹介しています。
NTTデータ数理システムで開発しているシミュレーションシステム S4 Simulation System 上での実装例もご紹介します。
背景
自社ブランドを消費者に選んでもらい、市場のシェアを広げるにはどのようにしたらよいでしょうか。目標のシェアを達成するために、どのような施策を打つべきかはマーケターにとっては大きな課題となっています。
シミュレーションは、施策による効果を認識・評価しておく為のツールとして役立ちます。ここでは、消費者行動をエージェントモデルでモデル化し、消費者のブランド選択によって、 各社のシェアが時系列に変化していくかをシミュレーションして検証してみましょう。
このようなシミュレーションは、予測精度を得る事が目的ではなく、ユーザーの振る舞いに影響を与える要因や施策の重要性を認識する事など、その定量的な評価に役立てるのが目的となります。
消費者によるブランド選択モデル
シミュレーションでは、消費者の行動を次のようにモデル化し、消費者一人ひとりの行動を、マルチエージェントシミュレーションでシミュレーションします。
シミュレーションパラメータ
シミュレーションのパラメータには以下があります
- 消費者数
- 初期シェア
- ブランド選択機会(選択機会までの待ち時間の分布)
- 消費者が各社に対して持っているpreference(好意/興味など)
- 消費者の行動特性の構成割合(ランダム・利用ブランド重視など)
上記のパラメータは、膨大な実績データがあれば、モデルに利用することもできますが、データが揃っていない場合にも、過去の経験則や行動モデルから分布を仮定しておく事で、 分析が始められるところもシミュレーションの利点です。
消費者モデル
行動モデル
- 初期化
- 現在のブランドを初期シェアによって決定します。
- 選択機会まで待つ
- 次のブランド選択まで待ちます。待ち時間は、選択機会までの待ち時間の分布によって決定します。
- 選択機会が来たら、行動特性に基づいてブランドを選択します
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意思決定モデル
意思決定モデルとしては、次の3種類を想定します。
初期シェア
初期シェア(シミュレーション開始時のシェア)に従って、確率的に選択します。流行にとらわれにくいユーザ、過去に人気のブランドを選択しがちな消費者を意味しています。企業の施策は受けづらい消費者です。
ランダム(一様)
一様分布に従って、確率的にブランドを選択します。ブランドには特にこだわりが無く、その時々によって、選択するような消費者を意味しています。企業の施策は受けづらい消費者です。
preference
ブランドに対するイメージや好みによって確率的に選択します。企業の商品改良、Webサイトやマスメディア、SNSによる広告による影響を受けやすい消費者です。
S4 Simulation System でのデモンストレーション
消費者の preference が市場のシェアに与える影響をシミュレーションで確認してみます。つまり、自社ブランドが目標のシェアを達成するには、消費者の自社に対する preference を他社の何倍にすればよいかがシミュレーションによって分かります。
「preferenceが各社横並びの時」のデモ動画
「B社のprefernceが他社の5倍になった時」のデモ動画
シェアを56%にまで広げる事が出来る事が分かります。
ここらさらに具体的に、消費者の preference をどのようにして上げるか、preference にあたえる要因を分析するには、例えばアンケートデータやユーザのユーザの行動履歴等のデータから、ベイジアンネットワークや統計解析の手法を用いていくことになります。
S4 Simulation System のモデル
S4 Simulation System を用いてモデル化すると下記の図のようになります。 (図をクリックすると拡大します)
シミュレーションのフローは下記の流れとなります。
- いずれかのブランドを購入/所有
- 一定期間を経過し、ブランドの購入を検討(期間は人による)
- 意思決定モデル(分布モデル)に従い、次のブランドを選択(モデルは人による)
シミュレーションの結果、下記が出力されます。
- 各ユーザーの購入履歴を取得(行動履歴)
- 一定期間ごとにブランド間シェア
シミュレーションで preference に影響を与える施策を検討する事が出来ます。
- どのブランドユーザーに対して行うか
- どの意思決定モデルを重点的に攻めるか
- 施策の成功確率やコストを想定する
- 競合が取りそうな動きを加味する
- 利用者との接触機会を増やす/減らした場合
※本モデルでは、他ユーザー影響は考慮していません
サンプルプログラム
S4 Simulation System のブランド選択のサンプルプログラムをダウンロードできます。
その他サンプルプログラム一式をダウンロードするにはこちら。
おわりに
シミュレーションについて
他にもシミュレーションで解決できる課題の例をシミュレーション適用事例としてご紹介しています。
そもそもシミュレーションとは?シミュレーションってどうやるの?等の疑問をお持ちの方に向けて、具体例も交えて紹介・解説する【1から分かるシミュレーション読本】を無料公開しています。 よろしければ併せてご覧ください。
S4 Simulation System について
「S4 Simulation System」は、複雑なモデルGUI上で表現しを誰でも簡単にシミュレーションを行なえるソフトウェアです。本記事でも「S4 Simulation System」でのシミュレーション実装例をご紹介しました。
30日間の無償トライアルでシミュレーションモデルをご自身で動かしていただくことも可能です。ご興味をお持ちの方は下記のフォームからお問い合わせください。
また、「S4 Simulation System」のご紹介とハンズオンでのシミュレーション体験を行うオンラインウェビナーを毎月無料で開催しております。ご興味をお持ちの方はぜひご参加ください。
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