シミュレーション適用事例: 消費者によるブランド選択シミュレーション

  • HOME
  • シミュレーション適用事例: 消費者によるブランド選択シミュレーション

シミュレーション適用事例 として、シミュレーションで解決できる様々な事例を紹介しています。
NTTデータ数理システムで開発しているシミュレーションシステム S4 Simulation System 上での実装例もご紹介します。

背景

自社ブランドを消費者に選んでもらい、市場のシェアを広げるにはどのようにしたらよいでしょうか。目標のシェアを達成するために、どのような施策を打つべきかはマーケターにとっては大きな課題となっています。
シミュレーションは、施策による効果を認識・評価しておく為のツールとして役立ちます。ここでは、消費者行動をエージェントモデルでモデル化し、消費者のブランド選択によって、 各社のシェアが時系列に変化していくかをシミュレーションして検証してみましょう。
このようなシミュレーションは、予測精度を得る事が目的ではなく、ユーザーの振る舞いに影響を与える要因や施策の重要性を認識する事など、その定量的な評価に役立てるのが目的となります。

消費者によるブランド選択モデル

シミュレーションでは、消費者の行動を次のようにモデル化し、消費者一人ひとりの行動を、マルチエージェントシミュレーションでシミュレーションします。

シミュレーションパラメータ

シミュレーションのパラメータには以下があります

  • 消費者数
  • 初期シェア
  • ブランド選択機会(選択機会までの待ち時間の分布)
  • 消費者が各社に対して持っているpreference(好意/興味など)
  • 消費者の行動特性の構成割合(ランダム・利用ブランド重視など)

上記のパラメータは、膨大な実績データがあれば、モデルに利用することもできますが、データが揃っていない場合にも、過去の経験則や行動モデルから分布を仮定しておく事で、 分析が始められるところもシミュレーションの利点です。

消費者モデル

行動モデル

  1. 初期化
  2. 現在のブランドを初期シェアによって決定します。
  3. 選択機会まで待つ
  4. 次のブランド選択まで待ちます。待ち時間は、選択機会までの待ち時間の分布によって決定します。
  5. 選択機会が来たら、行動特性に基づいてブランドを選択します
  6. 1に戻る


意思決定モデル

意思決定モデルとしては、次の3種類を想定します。

初期シェア
初期シェア(シミュレーション開始時のシェア)に従って、確率的に選択します。流行にとらわれにくいユーザ、過去に人気のブランドを選択しがちな消費者を意味しています。企業の施策は受けづらい消費者です。

ランダム(一様)
一様分布に従って、確率的にブランドを選択します。ブランドには特にこだわりが無く、その時々によって、選択するような消費者を意味しています。企業の施策は受けづらい消費者です。

preference
ブランドに対するイメージや好みによって確率的に選択します。企業の商品改良、Webサイトやマスメディア、SNSによる広告による影響を受けやすい消費者です。

S4 Simulation System でのデモンストレーション

消費者の preference が市場のシェアに与える影響をシミュレーションで確認してみます。つまり、自社ブランドが目標のシェアを達成するには、消費者の自社に対する preference を他社の何倍にすればよいかがシミュレーションによって分かります。

「preferenceが各社横並びの時」のデモ動画

「B社のprefernceが他社の5倍になった時」のデモ動画

シェアを56%にまで広げる事が出来る事が分かります。
ここらさらに具体的に、消費者の preference をどのようにして上げるか、preference にあたえる要因を分析するには、例えばアンケートデータやユーザのユーザの行動履歴等のデータから、ベイジアンネットワークや統計解析の手法を用いていくことになります。

S4 Simulation System のモデル

S4 Simulation System を用いてモデル化すると下記の図のようになります。 (図をクリックすると拡大します)

シミュレーションのフローは下記の流れとなります。

  1. いずれかのブランドを購入/所有
  2. 一定期間を経過し、ブランドの購入を検討(期間は人による)
  3. 意思決定モデル(分布モデル)に従い、次のブランドを選択(モデルは人による)

シミュレーションの結果、下記が出力されます。

  • 各ユーザーの購入履歴を取得(行動履歴)
  • 一定期間ごとにブランド間シェア

シミュレーションで preference に影響を与える施策を検討する事が出来ます。

  • どのブランドユーザーに対して行うか
  • どの意思決定モデルを重点的に攻めるか
  • 施策の成功確率やコストを想定する
  • 競合が取りそうな動きを加味する
  • 利用者との接触機会を増やす/減らした場合

※本モデルでは、他ユーザー影響は考慮していません

サンプルプログラム

S4 Simulation System のブランド選択のサンプルプログラムをダウンロードできます。

その他サンプルプログラム一式をダウンロードするにはこちら

おわりに

シミュレーションについて

他にもシミュレーションで解決できる課題の例をシミュレーション適用事例としてご紹介しています。
そもそもシミュレーションとは?シミュレーションってどうやるの?等の疑問をお持ちの方に向けて、具体例も交えて紹介・解説する【1から分かるシミュレーション読本】を無料公開しています。 よろしければ併せてご覧ください。

S4 Simulation System について

「S4 Simulation System」は、複雑なモデルGUI上で表現しを誰でも簡単にシミュレーションを行なえるソフトウェアです。本記事でも「S4 Simulation System」でのシミュレーション実装例をご紹介しました。
30日間の無償トライアルでシミュレーションモデルをご自身で動かしていただくことも可能です。ご興味をお持ちの方は下記のフォームからお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

また、「S4 Simulation System」のご紹介とハンズオンでのシミュレーション体験を行うオンラインウェビナーを毎月無料で開催しております。ご興味をお持ちの方はぜひご参加ください。

セミナー情報はこちら

監修:株式会社NTTデータ数理システム機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること
「数理科学の基礎知識」e-book無料ダウンロードはこちら

関連記事