シミュレーション適用事例:人流シミュレーション

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シミュレーション適用事例 として、シミュレーションで解決できる様々な事例を紹介しています。
NTTデータ数理システムで開発しているシミュレーションシステム S4 Simulation System 上での実装例もご紹介します。

背景

イベント会場近くの歩道や、駅・ショッピングモールのような大規模施設のように人が集まる空間では、各人がそれぞれの目的地に向かう事で、人の流れが起こります。この時、発生する問題点としては、

  • 混雑が発生し、目的地に着くまでに時間がかかる
  • 目的地で行列が発生する
  • イベント会場において、事故が起こる
  • 自然災害時の逃げ遅れ

等があげられます。
そこで、シミュレーションで人の流れを分析し、事前に施策を検討しておく事は非常に重要です。 具体的な施策には、非常灯やサインシステムを適切に配置し、人の流れをスムーズにする事や、警備員を適切に配置し、事故の発生を防ぐ事等が考えられます。

イベント終了時の帰宅をシミュレーション

S4 Simulation System で、実際にイベント終了時の人の流れをシミュレーションしてみます。下の動画は神宮球場でのイベントが終了し、イベント参加者が駅に向かう様子をシミュレーションしています。

このモデルでは、背景地図上に描画したネットワーク上をエージェントが移動し、混雑が推移する様子をシミュレーションします。エージェントは中央のスタート地点(神宮球場)から発生し、付近の駅のいずれかに向かって移動します。各エージェントは目的地まで最短経路を志向して、確率的に経路を選択するため、同じ目的地でも複数の経路で向かう様子が見られます。また、モデルに下のような細かい条件を化す事で、現実を精緻に再現しています。

  • 人口密度に応じて歩行速度を決定するモデル(Greenbergモデル)を採用して、混雑時の速度低下を表現
  • 一部エッジについては周期的に侵入可能/不可能の切り替え、ナイター終了後の交通整理の様子を再現
  • エージェントの経路選択時に、過度に混雑している道路は避ける仕組みにより、混雑が自然に分散

新宿区周辺のシミュレーション

さらに広域な新宿区周辺の人流シミュレーションをしている様子が下の動画です。

  • 歩行者の移動の様子をシミュレーションし、人口密度をヒートマップで可視化しています
  • 地図情報は OpenStreetMap のものを使用しており、S4 の機能で緯度経度で範囲指定するだけで取り込むことができます
  • 複数の鉄道駅を人流発生地点とし、その位置(緯度経度)および単位時間あたりの発生人数をエクセルで編集可能なcsv形式で指定しています(od.csv
  • あらかじめ地図領域を複数のエリア(ex. 競技場周辺/原宿駅周辺/新宿御苑内...)に分割しておき、人の移動はエリア間の移動確率をcsv形式で指定することで表現されています(pattern.csv
  • 人口密度に応じて移動速度が減少、滞留(停止)するといったオプションも指定可能です

S4 Simulation System ではこのような人流シミュレーションを効率的に作成できるように、地図エディタ等の便利な機能やエージェント行動のフレームワーク 等を多数用意しています。

お客様事例

サンプルプログラム

S4 Simulation System の人流シミュレーションのサンプルプログラムをダウンロードできます。

おわりに

シミュレーションについて

他にもシミュレーションで解決できる課題の例をシミュレーション適用事例としてご紹介しています。
そもそもシミュレーションとは?シミュレーションってどうやるの?等の疑問をお持ちの方に向けて、具体例も交えて紹介・解説する【1から分かるシミュレーション読本】を無料公開しています。 よろしければ併せてご覧ください。

S4 Simulation System について

「S4 Simulation System」は、複雑なモデルGUI上で表現しを誰でも簡単にシミュレーションを行なえるソフトウェアです。本記事でも「S4 Simulation System」でのシミュレーション実装例をご紹介しました。
30日間の無償トライアルでシミュレーションモデルをご自身で動かしていただくことも可能です。ご興味をお持ちの方は下記のフォームからお問い合わせください。

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また、「S4 Simulation System」のご紹介とハンズオンでのシミュレーション体験を行うオンラインウェビナーを毎月無料で開催しております。ご興味をお持ちの方はぜひご参加ください。

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監修:株式会社NTTデータ数理システム 機械学習、統計解析、数理計画、シミュレーションなどの数理科学を 背景とした技術を活用し、業種・テーマを問わず幅広く仕事をしています。
http://www.msi.co.jp NTTデータ数理システムができること
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