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- 最適化楽屋話#3 杓子定規でない数理最適化の実現
2019年12月13日 09:00
※当記事は2016年9月に執筆・公開されたものです。
※「Numerical Optimizer」は2022年3月28日より「Nuorium Optimizer」に名称変更しております。
Numerical Optimizer 開発責任者の田辺隆人でございます。
最適化という言葉を杓子定規に考えればそれ以上ない最高の状態を実現する!という意味ですが、実際の使われ方からするともうすこし冷めた感じの捉えられ方をしていて「思い思いに改善を目指す姿勢」といったところになります。
我々提供側ではなく、数理最適化アプリケーションのユーザーの方々になるとその呼び方もさらに様々です。割り当てや対応付けを最適化している場合には「レコメンドする」。パラメータフィッティングの場合には「(パラメータを)合わせ込む」、フィッティングしているのがニューラルネットだったりすると「学習する」。目下ブレーク中の Deep Learning の学習とは、自動微分法を使って巨大な非線形最適化をやっていることになるのですが、誰も非線形最適化とは呼びません。あと良くあるのが「シミュレーションする」。これは現実には起こっていないことを机上で再現する、という意味でそう呼ばれるのですね。
ユーザーの方々にとって「最適化」というのは計算の仕組みや前提であってわざわざ言うまでもないことで、その結果が真の関心事であることがなんとなく見えてきます。数理最適化やろう!と肩に力が入っているうちはまだまだで、知らずに入っている状態になることが技術が成熟することと言えるのかなと思います。