最適化楽屋話#16 ウイルス感染拡大における数理最適化の貢献

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最適化楽屋話#16 ウイルス感染拡大における数理最適化の貢献

2020年3月30日 09:00

※「Numerical Optimizer」は2022年3月28日より「Nuorium Optimizer」に名称変更しております。

Numerical Optimizer 開発責任者の田辺隆人でございます。

4月からは弊社も webinar 形式のセミナー(Numerical Optimizer は4/10が初回)を開催する予定です。

米国のオペレーションズリサーチ研究者の学会である INFORMS が COVID-19 の感染拡大に伴って生じる社会的問題の解決に関連する学術研究の情報をまとめたサイトを開設しています。感染防止方法の研究、必要な物資や医療設備の補給、移動の安全確保、というテーマでまとめられています。

2003年の SARS を題材にして感染の広がりをエージェントシミュレーション(これまでのシミュレーションと違い、人の多様性を意識している)して政策決定に資する結果を出したという報告、患者増大に備えた病院のキャパシティー確保、集中治療の病床確保をテーマにした研究、食料やワクチンの配布に関する研究、などへのリンクが集められています。

アブストラクトからの情報ですが、数理最適化のモデル化手法(施設配置、資源配分)や、ヒューリスティクスアルゴリズムの結果をシミュレーションによって検証する、といった我々にはなじみ深い方法論が展開されていることがわかります。これからも増強されてゆくと思いますが、いくつかを実際に読んでみて、数理モデルのケイパビリティーに関する知見を蓄えようと思います。

田辺 隆人 株式会社 NTTデータ数理システム 取締役
Nuorium Optimizer 開発責任者
数理科学がプログラムとして世の中に出てゆく様子を追いかけ続けています。
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